広がりを見せるコンテンツマーケティングの市場規模

コンテンツマーケティングは、今やウェブマーケティングの標準モデルと言っても過言ではないほど、市場の中で浸透しつつあります。日本では、数年前から普及し始めた感はありますが、アメリカでは10年以上も前からマーケティングの概念として存在し世界中の企業で実践されています。

コンテンツマーケティングは、ビジネスやマーケティングの中心的な手法として利用されており、特にオウンドメディアの立ち上げにおいて、なくてはならない考え方となりました。

しかし、コンテンツマーケティングが手法として利用されるようになっていると聞くものの、本当にみんなやっているの?全体的な市場は本当に成長しているの?と思われるかたも多いのではないでしょうか?

現に弊社に問い合わせをいただく企業の方々も、「本当にコンテンツマーケティングって流行っているの?」という質問を多くされます。そして、コンテンツマーケティングの事例などのお話をすると熱心に耳を傾けているようです。

今回は、コンテンツマーケティング市場について、成長率などを含めてその動向を探っていきたいと思います。

SEO市場の規模データから成長率を確認する

SEO市場の規模データから成長率を確認する

まずは、市場の規模データからコンテンツマーケティングの市場の成長率を確認していきたいと思います。

クロスフィニティ株式会社が発表した「2016年度版国内SEO市場予測 (2014-2018)」を参照すると、2016年に430.2億円、2017年に462.7億円、2018年に500.9円と、年々市場規模が増加傾向にあることが分かります。

多くの企業が検索エンジンで上位表示を行う(SEO対策)のために注力している証拠となるでしょう。特にGoogleのモバイルファーストインデックスの影響もあり直近ではますます加速していくことが予想されます。

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クラウドソーシングにおける市場規模推移と予測

近頃、ランサーズやクラウドワークスといった業務外注化サービスが注目を集めるようになっています。その中でも日本最大級のクラウドソーシングサイト「ランサーズ」は、大企業はもちろん、中堅ベンチャー企業にも利用され、業界最多の24万社以上の企業から選ばれるサイトにまで成長しています。

そんなクラウドソーシング市場ですが、株式会社矢野経済研究所が発表した「BPO市場・クラウドソーシングサービス市場に関する調査を実施(2016年)」によれば、2017年に1350億円に到達することが分かります。2018年に1820億円、2019年に2360億円、2020年に2950億円と年々増加傾向にあることが分かります。クラウドソーシングの市場規模が増加傾向にあるということは、それだけ企業が仕事を外注化している証拠であり、コンテンツマーケティングが積極的に採用されているということです。

フリーランスの実態調査から市場の成長率を知る

多くの企業でコンテンツマーケティングの手法が採用されるようになり、技術と知識さえあれば、個人が企業と連携しマーケティングが展開できるようになりました。その結果、企業にとらわれずフリーランスで、仕事をする人が増えてきたように感じます。株式会社ランサーズの「フリーランス実態調査2017年版」のデータによれば、日本において広義に定義されているフリーランスの数が推計1122万人に到達したと発表しています。労働人口から考察すれば、広義のフリーランスが人口の17%を占めることになり、全体の約5分の1がフリーランスとして働いていることになります。全国の20歳~69歳の男女3095人にアンケートを実施したところ、2016年に1064万人だった広義のフリーランスが、2017年には1122万人となり、前年比率で約5%増加していることが分かります。アメリカが5370万人から5500万人に増加しており、前年比で約2%の増加率であるのに対して、日本のフリーランスの増加率は、その数字を上回るスピードで増加していることが分かります。日本のフリーランス化が進んでいるということは、それだけ市場が伸びている証でありコンテンツマーケティングに関する業務があふれていることを意味します。

動画広告による市場規模から成長率を確認する

サイバーエージェントが発表した「動画広告市場規模推計・予測<デバイス別>(2012年~2017年)」のデータによれば、動画広告市場規模は2013年に153億円、2014年に311億円、2017年に880億円に到達すると推計・予測されています。2012年~2013年の動画広告市場は、携帯電話メーカーや自動車メーカーが動画によるプロモーションを始めたばかりということもあり、市場規模も50億円と現在の数字から比較すると、決して高い数字とは言えません。しかしながら、2014年にスマートフォンゲームのプロモーションに動画が積極的に利用されるようになり、高い効果が得られることを知った企業が一気に動画広告に注目するようになりました。その結果、一気に市場規模が広がり、2017年になるとPCデバイスユーザー数をスマートフォンユーザー数が超えるようになり、デバイスの転換期を迎えることになります。

そして、サイバーエージェントの「動画広告市場規模推計・予測<デバイス別>(2015年~2022年)」の最新データを確認すると、2018年に1530億円、2020年に2309億円、2021年に2625億円、2022年に2918億円とますます、コンテンツマーケティングの市場が成長していることが分かります。ちなみに、2022年には、約3000億円規模に到達すると考えられており、スマートフォン比率は、約84%を占めると推計されています。

動画広告の種類から市場の流れを読み取る

上記のサイバーエージェントの動画広告における推計データから、動画によるコンテンツマーケティングが年々成長していることをご理解いただけたかと思います。次に紹介するのは、上記と同じサイバーエージェントが発表した「動画広告市場規模推計・予測〈広告商品別〉(2012年~2017年)」のデータです。

動画におけるコンテンツマーケティングの主流は、インストリーム広告と呼ばれる手法です。インストリーム広告とは、YouTube動画の閲覧直線に少しだけ流れる動画のことで、5秒閲覧するとスキップして目的とする動画に移ることができます。ほとんどのインストリーム広告は、5秒でスキップできるものの、純広告型のインスリーム広告は、15秒の再生時間が経過しなければスキップできないようになっています。次に、市場を占めるのは、インスクロール広告と呼ばれるものです。インスクロール広告とは、名前の通り、ユーザーがページをスクロールして広告が画面に表れたときに動き出す広告のことを表します。2012年~2014年の大部分がインストリーム広告で占められており、インスクロール広告が市場の中で浸透し始めたのは2015年あたりからです。

こちらも同様に、サイバーエージェントの「動画広告市場規模推計・予測〈広告商品別〉(2015年~2022年)」の最新データを紹介します。2016年になるとインストリーム広告が439億円に到達し、Webサイトやアプリのコンテンツとコンテンツの間に表示されるインフィード広告が197億円と前年比と比較しても2.5倍に増加していることが分かります。インストリーム広告やインフィード広告、インバナー広告など、どの広告も年々増加していくことから、コンテンツマーケティングの市場は、確実に成長していくでしょう。

コンテンツマーケティングは、今後も確実に成長していく

コンテンツマーケティングを大きく形成する動画広告を掘り下げれば分かるように、市場はこれからも間違いなく成長し続けます。どのようにコンテンツマーケティングの市場が成長していくのかご理解いただきたかったため、2012年のデータまで遡りましたが、昔であれば想像できなかったほどの成長率です。もし、コンテンツマーケティングをまだ実施していないというのであれば、今からでも自社専用のメディアを立ち上げ何か施策を始めていきましょう。

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