SEO対策とは?具体的に何をすればよいのか初心者でもわかるように解説

Webサイト運営に携わる人であれば、「SEO」という言葉を必ず聞いたことがあるはずです。しかし、具体的にどのような施策を実施すればよいかわからない、という方は多いかもしれません。その理由として、行うべき施策が多く、専門用語も難解で初心者にはわかりにくい、といった点が挙げられます。そこで本記事では、できるだけわかりやすくSEO対策の基本を解説します。

SEO対策とは何か

SEO対策とは何か

SEOとは、「Search Engine Optimization」の頭文字をとったものです。日本語では、「検索エンジン最適化」と訳されます。そもそも検索エンジンとは、インターネット上にあるWebサイトや動画、画像、SNSの投稿といった情報を探すためのサービスです。GoogleやYahoo! Japan、MicrosoftのBingなどが代表例な検索エンジンとして挙げられます。

つまりSEOとは、検索エンジン経由で訪れる人を増やすために、自社が運営・管理しているWebサイトを最適化することです。SEO対策が上手くいけば、検索結果に上位表示され、多くの人の目に触れることで訪問数も増加します。

ニュースやECサイト、動画共有サービスなど、Webサイトはそれぞれ「商品・サービスの購入」「自社のブランド力向上」「広告視聴数の拡大」といった異なる目的を持っています。しかしどんなWebサイトでも、その目的を達成するためには、多くの人にアクセスされる必要があります。

なお、一般的にSEO対策といった場合は、Googleおよび同じ技術を使用しているYahoo! JAPAN向けの施策を指します。

SEO対策に関係する検索エンジンの仕組み

SEO対策を行う前に、まず検索エンジンの仕組みを知っておくと「なぜこの施策を行うと効果が期待できるのか」が明確になるでしょう。今回は、GoogleがWebページの情報を収集する場合を例にして説明していきます。

まず、「クローラー(Crawler)」と呼ばれるGoogleのプログラムがインターネット上に公開されているWebサイトの内容を収集します。具体的にいうと、持ち帰っているのは、「https(またはhttp)」で始まるWebページに書かれたデータです。

次に、持ち帰ったデータをプログラムが自動で解析します。このWebページは何について書かれているか、どのくらいの人から参照されているかといった中身を読み取り、Googleが保有するデータベースに保存します。この作業は「インデックス」と呼ばれるものです。ここで、ようやく検索エンジン上にデータが登録されたことになり、検索結果として表示可能になります。逆にインデックスがされないと、どんなにたくさんWebサイトに価値の高い情報やおもしろい情報を掲載したとしても見つけてもらえません。

最後に、情報を求めている人がGoogle上で探したい情報のキーワードを登録、検索します。Googleは、キーワードに合致した情報が掲載されているWebページをデータベースから探し出し、検索結果として表示します。

SEO対策の基本的なポイント

検索結果にWebサイトの情報が表示される仕組みがわかったところで、次にSEO対策で重要となる点を3つ紹介します。どのポイントにおいても大切なのは、Google(クローラー)にとってもWebサイトを訪問する人にとっても親切にする、ということです。

クローラビリティ

前項でクローラーについて紹介しましたが、このクローラーが情報収集する際におけるWebページの見つけやすさを「クローラビリティ」と呼びます。クローラビリティが高いとクロール頻度は増え、新しい情報を検索エンジンに表示させやすくなります。反対にクローラビリティが悪いとクロール頻度も減り、Webページの情報や変更内容はGoogleに認識されづらく、検索結果になかなか反映されません。

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「Googleで見つからない情報は存在しないのと同じ」という表現がされるほど、自社Webサイトの認知度を高めるためにはクローラーに見つけてもらうことが不可欠です。つまりクローラビリティを高めることは、SEO対策の基本と言えます。

コンテンツの質

Googleでは、トピックについての情報を提供する、商品・サービスを販売するといった目的に対して「そのページが役に立っているか」を重視します。そのため、検索した人にとって答えになるような有用な情報を提供しているか、という「コンテンツの質」はとても大切です。

SEO対策で重視すべきなのは、「キーワードとの関連性・メインコンテンツの量・外部からの評判」などです。加えて、「E-A-T」と呼ばれる評価基準も重要になります。E-A-Tとは「
専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trustworthiness)」の頭文字をとった言葉です。この3点が取り入れられているサイトはコンテンツの質が高いと判断され、検索結果でも上位に表示される、という傾向にあるのです。

サイトの利便性

訪問する人にとって使いやすいサイトであることも非常に重要です。特に、「スマートフォンユーザーにとって使いやすいこと」や「ページの表示速度が速いこと」、また「ナビゲーションがわかりやすい」といった要素も評価に影響します。詳しくは、次の項目で説明します。

SEO対策の具体的な方法例

ここからは、具体的なSEO対策として、6つのポイントを解説します。6つのうちいずれかを行えばよいというものではなく、すべての対策をきちんと講じるようにしましょう。

対策キーワードを選ぶ

SEO対策の基本中の基本とも言えるのが「キーワードの選定」です。情報を探す人が検索したワード(キーワード)に対して、Googleがインデックスされたサイトからぴったりのものを見つけて検索結果に表示することは先に説明した通りです。

そこで、サイト運営側はどのキーワードが入力されたときに上位表示したいかをコンテンツ作成時に決定します。例えば自社がハンドクリームを製造・販売しているメーカーであれば、「ハンドクリーム」や「手荒れ」といった言葉がメインのキーワードとなるはずです。

さらにそこから、ツールを活用したり自身で検索してみたりして関連する用語を見つけ、検索ボリュームなどを考慮した上でキーワードとして設定します。検索ボリュームとは、世の中でそのキーワードがどれくらい検索されているかを示す数量です。検索ボリュームが大きいワードは、多くの人に検索されていることを意味します。

ただし「ハンドクリーム」でキーワードを設定すると、ハンドクリームを販売しているECサイトやほかのメーカー、プレゼントにおすすめのランキングなど、競合が多くなり上位表示を狙いにくくなります。そのため「ハンドクリーム 香りがいい プレゼント」など、複数の単語を組み合わせて、上位表示しやすいキーワードを選定するのが一般的です。

キーワードを元にコンテンツを作成する

キーワードを選定した後は、それに関連したWebページを作成します。Googleは検索意図に合ったコンテンツを評価するため、どんな情報が入っていると検索した人の役に立つか考えた上で記事を組み立てていくことが重要です。ただ単にキーワードを盛り込めばいいということではなく、ユーザーの求めることを考えたコンテンツを作りましょう。

気をつけたいのがタイトルの設定です。タイトルは検索結果に表示され、クリック率に大きな影響を与えます。興味をひくタイトルに改善することで大きくクリック率は向上します。ただし、タイトルが長すぎると「...」と表示されてしまうため、キーワードを含め35文字以内にするとよいでしょう。

HTMLタグを適切に記述する

HTMLタグを適切に記述するのは、クローラーが収集した情報を理解しやすくするために重要です。キーワードはもちろん、タグの記述方法やコンテンツの構造を意識しましょう。

例えば、適切に見出しタグを設定すると、大見出しから小見出しまで階層構造が作成され、「何が重要なのか」がユーザーにもクローラーにも明確に伝わります。ポイントは「h1から順番に見出しをつけていくこと」です。デザイン上の理由などでh2の次にh4をつけることもありますが、SEO対策としては正しくないため避けましょう。

サイトの内のページ同士をリンクでつなぐ

クローラーは特定のWebページの情報を、別のページからリンクを辿って見つけていきます。そのため、ページ同士をきちんとリンクすれば、クローラビリティを高めることになります。また、サイトを訪れる人にとっても関連リンクから得る情報は重要です。Webページの最後に関連する情報が記載されたページリンクを付けましょう。

リンクを設定する際は、リンク元のテキストを「ハンドクリームの人気商品」というように、具体的な表現にすることがポイントです。テキストはリンク先が何のページかを示す情報になるため、「関連記事はこちら」といった汎用的な表現は避けましょう。

ページの表示を速くする

Webページの表示速度も、SEO対策を行う上で意識するポイントです。ページの速度は「PageSpeed Insights」というGoogleが提供しているツールを使って計測でき、URLを登録すると100点満点のスコアと3段階評価で判定してくれます。

PageSpeed Insightsでは、ページ表示速度を向上するための改善案も教えてくれます。「50点未満(遅い)」や「50点以上90点未満(平均)」だった場合は、アドバイスに従って画像ファイルを軽くするなどの対応をしましょう。

サイトをモバイル対応にする

現在のWeb視聴環境は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が主流になっています。そのため、Webサイト作成ではPC中心ではなく、「モバイル版が基準である」という認識を持つことが重要です。GoogleでもWebページの評価を行う際に、モバイル版を基準にして行う「モバイルファーストインデックス(MFI)」を導入しています。

モバイル端末でストレスなく閲覧できるように作成されていることを「モバイルフレンドリー」と呼びます。具体的には「文字や画像が読みやすいサイズになっている・ボタンが操作しやすい・横スクロールしなくても閲覧できる」といったことが、評価ポイントとなります。

Googleでは、「モバイルフレンドリーテスト」というテストページを提供しています。これはURLを入力するだけで自社のWebページがモバイル対応しているかどうかをチェックできるものです。もし不備が見つかったら、上記したモバイルフレンドリーのポイントを参考に、対策を行いましょう。

まとめ

SEO対策とは、検索エンジンで上位表示されるために行うさまざまな施策のことを指します。特別なテクニックは必要なく、取り組むべきことは、見てくれる人の役に立つコンテンツを作成し、正しい記述方法でWebページを制作するといった極めて基本的な施策です。しかし、これらの施策をきちんと行わないとGoogleからの評価が下がり、検索結果で上位表示されにくくなります。まだ自社で対策していないことがあったら、本記事などを参考に適切なSEO対策に努めましょう。

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