“お問い合わせはこちら”でWebサイト集客が失敗する3つの理由

Webサイトを運営しコンテンツマーケティングを行う上で、ユーザーからのお問い合わせや資料ダウンロードをコンバージョンのためのオファーとして設定している企業は多いかと思います。

そこから獲得した見込み客に対し営業活動を展開し、最終的に成約へとつなげていくのがコンテンツマーケティングの一般的な流れですね。

そんな中、皆さんのWebサイトや他社のサイトで“お問い合わせはこちら”というバナーを見かけることはありませんか?

これらはコンバージョンへ誘導するための常套句として利用されている文言であり、みなさんもかなりの確率で遭遇するのではないでしょうか。しかし、実はCV率を下げてしまっている原因でもあるのです。

そこで今回は、なぜ“お問い合わせはこちら”といった文言では集客できないのかという理由と共に、具体的な対策について紹介していきたいと思います。

“お問い合わせはこちら”で集客できない3つの理由

ユーザーのベネフィットが明確化されていない

まず、ユーザーがなぜWebサイトを利用するのか?という部分から考えてみましょう。恐らくほとんどのユーザーが突き詰めると、“自社や自分が抱えている課題を解決するため”という理由を持っているのではないかと思います。

これは言い換えれば、自社や自分にとって利益にならないWebサイトは利用しないということでもあります。つまりユーザーは常に自分にとっての“ベネフィット”を求めているのです。

なので当然、“お問い合わせはこちら”という文言だけでは不十分ということになります。

問い合わせることでどのようなベネフィットがあるのか?を明確にする必要があります。

なにを問合わせすればいいのか分からない

ユーザーの中には、サービスについて問い合わせをしたいけれど“何をどう問い合わせればいいのか分からない”、といった方が少なくありません。

確かに、たとえばもしも自分がWebサイト制作にまったく知識がないユーザーでありながらWeb制作会社を調べなくてはいけないという状況になったら、制作会社に一体何を問い合わせればいいのかすら分からないということも普通なのではないでしょうか。さらに、いったん問い合わせをしてしまうと、そのあといろいろなことを聞かれたり、売り込みをされたりするのではないかと思うと、とても気軽に問い合わせようという気にはならないでしょう。

実はこういったユーザーは非常に多いのです。問い合わせについてより具体的なガイドをしていたり、それによって問い合わせの敷居を下げているサイトへ流れてしまい、機会損失を生んでしまっていることも多いのです。

文言が魅力的でないから惹かれない

自分に置き替えて考えてみたとき、“お問い合わせはこちら”という文言に対して果たしてクリックしたくなるでしょうか?

よほどの明確な問い合わせの意思やニーズがない限り、なかなかクリックする気にならないというのが正直なところでしょう。

しかし、気軽にクリックできるような文言であれば、確固たる問い合わせの意思やニーズがなくても問い合わせのページまでは誘導できるかもしれません。

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どうすればお問合わせは増える?

ユーザーのステージとナーチャリングを意識する

“問い合わせをすることで何が解決するのか?”というベネフィットを明確にすると、潜在的に問い合わせのステージに近いユーザーのコンバージョンは上がるでしょう。

しかし、いずれにしてもお問い合わせをするのは一般的にはかなり機が熟した状態になってからでしょう。つまり、お問い合わせの意思がある人をスムーズに誘導する一方、まだその段階に至っていない人には、そのステージに合った誘導を用意する必要があるのです。

そのためには、「カスタマージャーニー」を見直す必要があります。まだ検討初期の段階の人向けのコンテンツにいきなりお問い合わせへの誘導を配置しても、いきなり問い合わせる人はほぼいないでしょう。しかし、唐突にお問い合わせのバナーなどが表示されることは意外と多いものです。

あくまでも顧客側の視点に立って、どのタイミングなら問い合わせるのかという設計を見なおすことも重要です。そのうえで、お問い合わせ自体のパフォーマンスが上がるような改善を積み重ねていきましょう。

お問い合わせの内容をこちらから特定する

適切なタイミングでお問い合わせに誘導しても、まだ課題はあります。

“そもそも何を問い合わせたらいいのか分からない”といったユーザーには、こちらから問い合わせ内容を特定していくのが有効的です。

例えば“~でお困りの方はこちらからお問合わせください”と、典型的な課題に対してページを作成して、説明を加えてゆくのもいいでしょう。

ある程度典型的なお問い合わせを提示し、選択してもらうようにすることでお問い合わせの心理的ハードルを下げ、気軽に問い合わせができる状況を作ることができます。

文言にひと捻り加える

単に“お問い合わせはこちら”といった文言を設定するのではなく、クリックしやすくようにひと捻り加えてみるのも効果的です。

例えばトライアルの申し込みであれば、"トライアルお申し込みはこちら”よりも、“いますぐその価値を体験してみましょう”というほうが敷居が低く感じられるかもしれません。

ただし、商材や客層によってはシンプルなほうが好感を持たれる場合もありますので注意しましょう。

CTA(Call to Action)を意識した設計を

CTAとはいわゆる行動喚起のための導線であり、ユーザーに次の行動へと移るように促すものです。

つまり“お問い合わせはこちら”や“資料ダウンロードはこちら”などのバナーやボタンなどがCTAになります。

なぜCTAという言葉を意識する必要があるかと言うと、先のカスタマージャーにのミスマッチによる離脱を防ぐためです。

例えばBtoBの商材においてのコンバージョンは“お問い合わせ”だと考えてしまいがちですが、商品によっては検討期間が長く、簡単に案件化できないようなものも多くあります。そのためには、まずは課題とソリューションについての理解を深め、ある程度の確信をもってもらうまで「ナーチャリング」する必要があるのです。

つまり、商品特性に応じたカスタマージャーニーとCTAを意識することで、より効果的な行動をうながすことができるのです。

例えば企業ブログに関しても、コンテンツごとにCTAを変化させることで運用効果が変わります。

サービスに関するコンテンツならお問合わせ、製品情報系のコンテンツなら資料ダウンロード、ノウハウ系のコンテンツならメルマガ登録など、コンテンツごとに適切なCTAというのがあるのです。

今まで“CTAを意識したことがなかった”という企業では、コンテンツごとのCTAを意識するだけでもCV率が大きく改善されるのではないかと思います。

HubSpotが提供するCTAの作成、分析、そして管理

“インバウンドマーケティングプラットフォーム”として、一貫したマーケティング環境を提供するHubSpot(ハブスポット)では、CTAに対する機能も多数提供しています。

いくつかのステップで簡単にCTAを作成できる他、システムなしでは難しいCTAの効果測定と分析が可能です。

加えてコンテンツごとのCTA管理も容易になっているので、効果のないCTAの削除や逆に効果の高いCTAを他のコンテンツに適用するといった管理がスムーズにできるようになります。

こうした快適なCTA環境はWebサイトのCV率を効果的に高め、管理業務の負担軽減にも繋がるでしょう。

まとめ

もしも皆さんのWebサイトのお問い合わせによるCV率に満足していないのであれば、一度CTAから見直しをしてみてはいかがでしょうか?

丁寧にPDCAサイクルを回し、継続的にCTAを改善していくことができれば、確実にCV率を高めていくことができます。お問い合わせはどのタイミングで誘導するのが適切なのかなど、全体のプロセスの中で位置づけてみましょう。

そのためにCTAの管理環境を整えるのは重要で、インバウンドマーケティングプラットフォームを採用するのは有効な手段の一つだと言えます。

コンテンツごとにCTA設計や施策を意識して、コンテンツマーケティングの運用効果を一層高めていきましょう。

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