【保存版】ビジネスで使える13のデータ分析手法を分かりやすく解説

「データ分析の手法ってどれくらいあるんだろう?」と、ビジネスパーソンなら誰でも一度は考えたことがあるのではないかと思います。

Webやビジネスで活用できるデータ分析手法というものはある程度決まっていて、ここではそんなデータ分析手法についてそれぞれ解説していきます。

掘り下げた解説は避け「このデータ分析手法はどんなものなの?」という部分に焦点を当てて解説していくので、「こんなデータ分析手法があるんだ」と参考程度にして頂ければと思います。

高まるデータ分析のニーズ

IoT(モノのインターネット)やコンシューマライゼーションの波、モバイルの台頭など、私たちを取り巻く環境はITを駆使したデータで埋め尽くされています。

 「ビッグデータ」「データマイニング」という言葉は誰もが耳にしたことがあると思います。

ビッグデータとは企業内外で蓄積されている膨大な量のデータであり、かつ経営戦略やマーケティングに有用なデータを指します。そしてデータマイニングとは「Data Mining(データ採掘)」という言葉が示す通り、膨大な量のデータの中から経営戦略やマーケティングに有用なデータを発見する概念およびその手法です。

つまり、データマイニングを用いてビッグデータを分析することで、売上げ向上に繋がるデータを見つけ出すことが出来るのです。

こうしたデータ分析のニーズはビッグデータがビジネスに浸透すると共に高まり、総務省が活用を推進するほどとなっています。

では実際にどんなデータ分析手法を用いればいいのか、ビジネスで使える13のデータ分析手法を紹介していきます。

ビジネスで使える13のデータ分析手法

アソシエーション分析

一見関連性のない複数の事象が共起している場合、そこに何かしらの要因が隠れていることが多いです。

例えば、「紙おむつとビールが同時に購入される確率がなぜか多い」や「Webサイトで会員登録するユーザーは登録前になぜかWikipediaを見ている可能性が高い」といった感じです。

アソシエーション分析では複数の事象の関連性を見つけ出し、仮説を立て、経営戦略やマーケティングに活かすことが出来ます。

バスケット分析

アソシエーション分析から派生したデータ分析手法で、概要は変わりませんが分析対象がユーザーの購入商品に限定されます。

つまり「バスケット(買い物かご)に何を入れているか?」を把握することで、Aの商品とBの商品が同時に購入されている確立が高いといったデータをはじき出します。

ECサイトを利用した際に、よく「この商品を購入した方はこちらの商品も購入しています」というレコメンドを見かけますが、これはバスケット分析を活用したマーケティングです。

クロス集計分析

アンケート調査における設問に対し、回答者の属性などの項目を交えて集計するデータ分析手法です。

例えば数百人のユーザーに「1日のインターネット使用時間は?」というアンケートを取ったとします。

このアンケート結果に性別や年代といったユーザーの属性を加えることで、縦軸と横軸をモデルとした集計が可能ですね。(縦軸に時間、横軸に年代といった具合に)

クロス集計分析を用いることでユーザーの属性ごとの平均値を知ることが出来ます。

決定木分析

「もしも~だったら、こういった結果になるだろう(If than)」を繰り返し、予測を立てるためのデータ分析手法です。

一つの原因からどんどん結果の予測を立て、いくつも枝分かれしていき樹木型のモデルとなるため「決定木」と呼ばれています。

主にリスクマネジメント分野で用いられ、「回帰木」や「分類木」とも呼ばれます。

因子分析

ビジネスのみならず多くの研究分野で活用されているデータ分析手法で、複数の変数間の共通因子を見つけ出すことで関連性を知ることが出来ます。

複数のデータの中からいくつかの共通因子を見つければ、それぞれの相関図を作り出すことが可能です。

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こうした相関図をもとにマーケティングを展開することで、効率的に売上げ向上につなげることが出来ます。

ABC分析

「重点分析」とも呼ばれ、主に商品や顧客などをその重要度によってランク分けするデータ分析手法です。

商品ごとの売上げを集計>売上げの多い順に並べる>全体の売上げに対する各商品割合を算出>割合上位の商品から累積>累積値をもとに商品をABCでランク分け

以上のプロセスを踏むことで「売れ筋商品」や「死に筋商品」を割り出し、在庫管理や販促に活用します。

クラスター分析

異なる性質を持つ複数のものが混ざりあっている集団から、似た者同士でグループを作り分類するためのデータ分析手法です。

例えばお寿司屋さんにおいて「マグロの握り」「サーモンの握り」「マグロの軍艦巻き」をクラスター分析を用いる場合、価格・売上げ・ネタの種類で分類することが出来ます。

価格が300円以上:マグロの握り、サーモンの握り

売上げが全体に対し5%以上:サーモンの握り、軍艦巻き

マグロを使用している:マグロの握り、マグロの軍艦巻き

このように分類することで各商品のポジションを把握することが可能です。

お寿司で例を挙げましたが、クラスター分析はユーザーのセグメンテーションやブランドポジションの確認などに用いられます。

ロジスティック回帰分析

多くのデータ分析手法が複数のデータを取り扱うのに対し、ロジスティック分析では「YES」か「NO」でデータを収集します。

例えば「商品Aと一緒に購入されてるものは何か?」といった多変量のデータを求めるのではなく、「商品Aを買ったか買わなかったか」という2択で考えます。

事象の発生確率を予測することが可能です。

線形回帰分析

複数のデータをクロス集計することで得られるグラフでは、主に曲線で表されます。

線形回帰分析ではこういったグラフに、論理的に考え出された直線を引くというデータ分析手法です。

各データの相関関係を知ることが出来ます。

主成分分析

クラスター分析と混同されがちですが、主成分分析はたくさんの項目(変数)があるデータに対しごく少数の項目に置き換えることでデータ全体の見通しをよくします。

ちなみにこのプロセスを「次元の縮約」と呼ぶことも。

データ変数が少ない場合はあまり必要のないデータ分析手法ですが、変数が100200ともなるとかなり活用できます。

しかし、変数を縮約するとで「一部の情報を捨てている」というデメリットもあるので注意が必要です。

グレイモデル

過去のデータをもとにして、それに続く数値をグレイ法(灰色理論)で予測します。

明白になっているデータを「白色」、不明なものを「黒色」、あいまいな状態を「灰色」と定義し「白色データ」と「黒色データ」をもとにして「灰色データ(今後)」を予測するデータ分析手法です。

独立性の検定

2つの変数の間に関連性(独立性)はあるのかを求めるデータ分析手法で、主にクロス集計分析と共に用いられます。

クロス集計ではアンケート調査において縦軸と横軸でデータを集計すると説明しましたが、それぞれの関連性を知ることで初めて調査結果を経営戦略やマーケティングに活用することが可能です。

軽量時系列分析

株価やECサイトの売上げなど時系列で表すことが出来るデータには、何かしらの内部構造があると仮定出来ます。

軽量時系列分析ではそれらの変数間の動学的関係を明らかにすることで、ビジネスにおいて仮説や理論を検証することが可能です。

かなり端的に言うと「時系列で変動するデータの流れを解析して、マーケティングを展開していこう」というもの。

データ分析の留意点

ここまで13のデータ分析手法を紹介しましたが、これらを持ち入れば経営戦略やマーケティングに活用できる色々なデータを手にすることが出来るでしょう。

しかし、ここでデータ分析を行う上での留意点をお伝えしておきます。

明確なゴールを持って分析する

「何のためのデータ分析なのか?」という目的を持つことは基本中の基本です。

いわばデータ分析のゴールなのですが、このゴールがなけらば一体何のためのデータ分析なのかは分かりませんね。

そもそもデータ分析を行う根本には「より効率的なマーケティングを展開し売上げを向上させたい」や「現状の課題を解決したい」といった考えがあるはずなので、自然とゴールが見えて来ると思います。

しかし「ビッグデータ分析が流行っているから」など「なぁなぁ」でデータ分析をしていると、そもそも何のデータを分析すればいいかも分かりませんね。

データ分析を行う際は明確なゴールを持ちましょう。

データ分析は戦略を教えてくれない

データ分析はあくまで「経営戦略やマーケティングに有用なデータを得るための手段」です。

なので、データを目の前にして「その後どうするか?」はマーケターの手に握られています。

多くの方が「データ分析さえすれば売上げが向上する」と誤解していますが、結局は人の頭で今後の施策を考えていかなけらばならないのです。

データ分析は戦略を教えてくれません。そのヒントを与えるだけです。

この認識をしっかりと念頭に置きデータ分析を行っていきましょう。

まとめ

いかがでしょうか?思っている以上にデータ分析は奥が深く、様々な手法を用いることで多くのデータを可視化することが出来ます。

現在データ分析のニーズが高まっていることから「データサイエンティスト」を目指している方も多いでしょう。

本稿はそんな駆け出しデータサイエンティストや、「ビジネスに使えるデータ分析が知りたい!」というデータドリブンなマーケティング担当者の方のためになれば幸いです。

ビッグデータが重要視されている今、データ分析のニーズは今後も高まっていくでしょう。

もしかすると、これまでデータ分析などしたことがなかった方も会社の指令でいきなりデータ分析に触れなけらばならない時が来るかもしれません。

そんな時にあたふたしないためにも、ある程度データ分析手法について知っていると心強いですね。

「備えあれば憂いなし」ここで紹介したデータ分析手法を是非覚えて頂ければと思います。

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