ネイティブアド事例:タイプ別で見る成功運用事例6選

「記事広告やレコメンド型広告だと思い込んでいたら実は“広告枠自体”の話だった」など、なかなか理解に難しいネイティブアド。やっと意味を理解したところで「どうやって運営したらいいの?」とまた新たな悩みが生まれている方も少なくないと思います。

そんなときこそ、成功事例を参考にするのが一番。そこで今回紹介するのは、ネイティブアドのタイプ別成功事例です。 

6つのタイプに分けて事例を紹介していくので、まずは「どの広告フォーマットを活用すればいいか?」という悩み解消のために参考にして頂ければと思います。 

関連記事:ネイティブアドとは|意外な6つの種類や運営に大切なこと

ネイティブアドについてのおさらい

まずは軽くネイティブアドについておさらいしておきましょう。 

ネイティブアドとは、特定の広告フォーマットを指す言葉ではなく“広告掲載メディアやコンテンツに対し広告を自然と溶け込ませ、ユーザーにストレスを与えることなく情報発信する広告“です。

つまり最近よく目にするようになった記事広告やレコメンド広告などもネイティブアドの一種であり、その他にも複数存在します。

6つのタイプ

1. インフィード型

インフィード型はコンテンツ間やコンテンツ内に組み込まれているタイプで、さらにインフィード型-1~3に分類されます。それぞれを簡単に説明すると1が記事広告、2がソーシャルメディア広告、3が外部リンクに遷移しないソーシャルメディア広告です。

「グノシー」や「Antenna」などの総合情報型メディアと、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアが主なプラットフォームとなります。

2. ペイドサーチ型

いわゆるリスティング広告のことですが、「検索結果のように表示される」ということからネイティブアドに分類されています。ただし、リンク先が一般的なコンテンツの場合のみです。

GoogleアドワーズやYahoo!スポンサードサーチが主なプラットフォームとなります。

3. レコメンドウィジェット型

コンテンツ下部に「おすすめ記事」や「関連記事」として表示される広告がレコメンドウィジェット型に分類されます。また、リンク先がインフィード型-1のネイティブアドであることも条件の一つです。 

Yahoo!コンテンツディスカバリーやLuglyliftなどが主なプラットフォームとなります。

4. プロモートリスティング型

ペイドサーチ型と同様、ユーザーの検索結果に合わせて表示されるタイプのネイティブアドですが、特徴は広告媒体の違いです。GoogleやYahoo!などが媒体となるペイドサーチ型に対し、AmazonなどのECモールやぐるなびなどの情報系メディアが媒体となります。 

Amazonを始めとした主要ECモールや、ぐるなびや食べログといった情報系メディアが主なプラットフォームです。 

5. IABスタンダード型

IAB(Internet Architecture Board:インターネットアーキテクチャ委員会)が定める基準をクリアしたタイプのネイティブアドであり、「コンテンツターゲティング型」とも言われています。特徴としてはディスプレイ広告内にてコンテンツ型を出稿するものです。

GoogleディスプレイネットワークやYahoo!ディスプレイアドネットワークが主なプラットフォームとなります。 

6. カスタム型

ここまで紹介したいずれのタイプにも属さないのがカスタム型のネイティブアドです。(ただし例外もあり)特徴としては一つのプラットフォーム内で広告が完結するようなメディアであり、分かりやすい例が「LINEスタンプ」です。

LINEやクックパッドなどが主なプラットフォームとなります。 

以上、ネイティブアドについてざっとおさらいしましたが「あれ、これってどんなタイプだっけ?」とよく混同するので、これから紹介する事例を見る際も都度確認して頂けたらと思います。

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6タイプごとのネイティブアド事例

インフィード型/株式会社アイム

香川県を拠点にする化粧品ブランド「ライスフォース」を手掛ける株式会社アイムでは、これまでインフォマーシャル(※1)による広告が中心でした。しかし「CPA(顧客獲得単価)の改善」と「多様化するデバイスへの対応」という2つの課題を抱えていた同社は、広告プラットフォームをWeb上へと軸足を徐々に移動。主にYahoo!スポンサードサーチとYahoo!ディスプレイアドネットワークをプラットフォームとして採用していました。

そして2015年5月、Yahoo!にてスマホ版サイトのインフィード広告サービスが登場してからインフィード広告を展開。そこからインプレッション数が跳ね上がり検索流入数が1.5倍増、CPC(クリック単価)に至っては2/3~1/3まで改善し、当初の課題であったCPAの改善にも繋がったようです。

また、成功要因としてはセグメントとリターゲティング設定を詳細まで行ったことが挙げられます。 

ライスフォース:http://www.riceforce.com/

※1:インフォマーシャルとは「インフォメーション」と「コマーシャル」を掛け合わせた造語であり、通常のCMと比較して多くの情報を提供するという特徴があります。放映時間が通常15~30秒程度のCMに対しインフォマーシャルは60秒以上あるのが一般的です。 

ペイドサーチ型/freee株式会社

クラウド型会計サービスのリーディングカンパニーとして2013年からサービスを提供しているfreee株式会社では、ニーズが顕在化しているユーザーを取り込むためにYahoo!スポンサードサーチを活用。同社がペイドサーチ型ネイティブアドを展開する上で注意しているのは、ユーザーの検索キーワードに対するタイトルや説明文との整合性です。 

「会計ソフト」や「経理ソフト」といった直接的にキーワードを中心に、「無料」「個人」などどいった単語を掛け合わせたキーワードを設定。またその中でもキーワードに合わせて数十種類用意してある広告を表示しています。 

このように、複数のキーワードに対し一つの広告を表示させるのではなく、細部まで整合性を取ることで効果を最大化できるという事例です。 

freee:https://www.freee.co.jp/

レコメンドウィジェット型/森下仁丹株式会社

森下仁丹株式会社は機能性表示食品である「ヘルスエイドビフィーナ」の認知拡大のために、Yahoo!コンテンツディスカバリーとYahoo!特別企画を併用してマーケティングを展開しました。施策の簡単な流れは、Yahoo!特別企画で作成した特集記事をトリガーにYahoo!コンテンツディスカバリーで集客するというものです。

結果としては同時期に掲載されたYahoo!コンテンツディスカバリー記事よりもクリック率が高スコアで、相乗効果でYahoo!スポンサード広告のCPAが50%改善しました。

同社の事例のように、レコメンドウィジェット型ネイティブアドを展開する際は特集記事を組むのも非常に効果的でしょう。

ヘルスエイドビフィーナ:http://healthaid.jintan.jp/feature/bifina.html

プロモートリスティング型/家電・生活用品販売O社

プロモートリスティング型はまだまだ事例が少なく、若いプラットフォームと言えますが費用対効果の高い事例が複数存在します。家電・生活用品販売を主軸に事業展開しているO社では、Amazonスポンサープロダクト広告の運用をスタートしてからわずか1カ月でROAS(投下広告費利益率)2039%という驚異的な数字を叩き出しています。 

消費者向け製品を販売している企業にとっては注目すべきネイティブアドでしょう。

IABスタンダード型/富士フィルム株式会社

自分で撮影した写真でオリジナル写真集が作成できるサービス「フォトブック」を提供している富士フィルム株式会社では、広告をクリックしないが広告を目にしているユーザーが9割を超えることに着目し、新規顧客として獲得できないかと考えました。

そこでターゲティングやセグメントなどあらゆる設定を見直し、入札方式をインプレッション単価へと変更。「クリックされるための広告」から「見られるための広告」へとシフトしました。

結果これまで展開してきた広告費に対し、同額で127%のコンバージョン率増加を達成。

さらに訪問数に占める新規ユーザー数が37%に向上しました。

「クリックからコンバージョンに繋げる」という広告の基本概念を超えた施策にも効果があると理解出来る事例です。

カスタム型/キリンビバレッジ株式会社

キリンビバレッジ株式会社は2014年サッカーワールドカップ(ブラジル開催)に合わせ、対象商品を購入して入手できるシリアルナンバーを入力すると、元日本代表監督アルベルト・ザッケローニのスタンプがゲットできるというキャンペーンを展開。期間中の対象品は売上げが好調だったようです。 

通常LINEスタンプでは「友人になったらスタンプゲット」といった施策を展開する企業がほとんどですが、同社では直接的な販促に繋げているのが面白い点ですね。 

まとめ

いかがでしょうか?今回は6つのタイプごとにネイティブアドの成功事例を紹介しました。これらの事例を参考に「BtoBならコレ、BtoCならコレ」など、自社サービスや製品がどの広告プラットフォームを選択すべきかがなんとなく見えてきたのではないでしょうか。 

ネイティブアドで重要なのは、適切な広告フォーマットと広告配信プラットフォームを選ぶこと。さらに初期設定を詳細まで行うことです。その上で効果検証と改善を繰り返していけば、結果は後から付いてくるでしょう。

 今回の事例を参考に自社にマッチしたネイティブアドの展開を目指して頂けたら幸いです。

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