「良いモノを作っただけでは売れない時代」カスタマーエクスペリエンス(CX)が必要な理由とメリット

 2019.03.06  LeadPlus

「良いモノを作っただけでは売れない時代」だと言われています。これはどんな業界にも言えることではないでしょうか?日本人消費者の多くは高品質/低価格な商品を購入したり、使ったりすることに慣れていて、単純な品質や価格だけでは満足できなくなっている傾向があります。それにスマートフォンの普及も相まって、消費者自ら大量の情報を収集できる時代になり、簡単に比較できたりします。また、情報量とともに商品やサービスに対するニーズはますます多様化しています。

そうした中、商品やサービスの「物質的価値」のみで商売を行うことは限界かもしれません。「良いモノは、それだけで必ず売れる」という信念を掲げても、同等もしくは劣っている品質である商品やサービスに消費者を取られているというケースは決して少なくないのです。

今は、商品やサービスを通じて消費者に提供する「体験的価値」に着目する時代です。いわゆるカスタマーエクスペリエンス(Customer Experience:CX)はビジネスにどんな変化をもたらすのでしょうか?本稿ではカスタマーエクスペリエンスの基本について解説します。

カスタマーエクスペリエンスとは?

直訳すると「消費者体験」となりますが、その意味を明確に説明すると「商品やサービスを通じて、顧客に提供する特別な体験」だと言えます。モノが持つ価値を分類すると、下記3つのようなカテゴリに分けることができます。

物質的価値

商品やサービスそのものを利用することで得られる価値。たとえば自動車なら「活動範囲が広がる」や「毎日の買い物が楽になる」といった価値です。

金銭的価値

商品やサービスを購入する際の金銭から得られる価値。たとえば「年末年始のセールによって、通常よりも50%安い価格で購入できた」など価値です。

体験的価値

商品やサービスを通じて得られる体験から生まれる価値。たとえば「ブランドアイテムを身に付けることで気分が高まる」などの価値です。言い換えれば、感情面に訴えかけるような価値のことです。

 

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従来の日本市場では、このうち物質的価値と金銭的価値が高ければ消費者に容易に受け入れられ、自然と売れる商品やサービスが生まれていました。しかし現代ビジネスにおいては体験的価値が最も重要とされています。高い体験的価値を提供している商品例といえば、iPhoneでしょう。

世界のスマートフォン市場においてiPhoneのシェア率は2017年時点で約20%です。残りのシェアは約72%がAndroid、約8%がその他のスマートフォンとなっています。一方日本のスマートフォン市場においてiPhoneは20%以上高い約44%のシェアを誇っています(2018年時点)。ピーク時は70%近いシェアを持っていました。日本のスマートフォン市場ではiPhoneのシェアが、世界と比べて異常なほど高いのです。

これはiPhoneに対して日本人消費者が高い体験的価値を感じているからと言えます。iPhoneは日本市場において高いブランド力を持っており、iPhoneを所持すること自体をステータスだと考えている消費者もたくさん存在します。

このことから、モノの体験的価値を高めれば物質的価値や金銭的価値で他のモノに劣っている部分があっても、販売数を拡大することは可能だと言えます。それこそがカスタマーエクスペリエンスの考え方であり、その向上に努めることで単純な商品力ではない価値を生み出すことが可能です。

カスタマーエクスペリエンス向上のメリット

カスタマーエクスペリエンスの向上にはそれなりの時間とコストが必要です。時間と資金を投じてまでカスタマーエクスペリエンス向上に努めるメリットは一体どこにあるのでしょうか?

メリット1.リピーター獲得に貢献する

モノに対する消費者の期待値は年々高まっています。そのため、高品質低価格な商品であっても消費者からすれば「想定通りの品質と価格だ」と考えることが多く、それだけではリピーターの獲得には繋がりません。消費者がリピーターになる時は、想定以上の価値を感じたときです。そこでカスタマーエクスペリエンスを含めてビジネス設計をすることで、消費者の期待値を大きくうわまわる可能性が高くなり、最終的にリピーターとして定着するでしょう。

メリット 2.口コミによる波及効果が広がる

高いカスタマーエクスペリエンスを提供しているモノのリピート率は高く、さらにその評判はSNSなどを通じて口コミが広がっていく可能性があります。人間は自分が愛着心を持っているモノを他社にすすめたがるものなので、リピーターの数だけインフルエンサー(拡散者)がいると考えると、その効果がイメージしやすいかと思います。

メリット3.ブランド乗り換えのリスクを低減する

消費者に長く愛されるモノには必ず高いカスタマーエクスペリエンスがあります。そうした消費やサービスは消費者のブランド乗り換えリスクが非常に低いため、長く安定した収益を得ることが可能です。

カスタマーエクスペリエンスを形成する5つの価値軸

カスタマーエクスペリエンスには下記5つの価値軸から形成されるものと考えられています。

Sense:感覚的体験価値

互換を通じて得られる体験的価値を指します。たとえばお洒落なカフェの空間や、家具およびレイアウト、そこで流れているBGMや感じる香など、消費者の五感を刺激することで与えられる体験価値まで設計することで、カスタマーエクスペリエンスを高められます。

Feel:情緒的体験価値

スタッフの丁寧な接客や気配りなどで消費者の感情に働きかけて生まれる体験的価値を指します。人間は感情に左右されるものなので「あのスタッフの接客が丁寧だったからまたあのお店に行きたい」など、接客レベル等を高めることでカスタマーエクスペリエンスを向上できます。

Think:創造的体験価値

商品やサービスが持つコンセプトや、企業ブランドを全面的に押し出すことで消費者の知的好奇心や探求心を刺激し、生まれる体験的価値のことです。最新技術を搭載したコンピューターを購入した場合、消費者は最新機能によって快適な環境を手にするほか、「最先端技術に触れている」という感覚が味わえます。

Act:ライフスタイル的体験価値

日々のライフスタイルに変化を起こすことで生まれる体験価値を指します。たとえば電車の通勤時間を利用したスマートフォンで文書作成が可能なアプリがあった場合、時間を効率良く使うというライフスタイル的体験価値を受けたことになります。

Relate:準拠集団や文化との関連付け

集団に対する帰属意識に関連し生み出される体験的価値を指します。たとえばファンクラブやグッズ等が典型的なパターンであり、ディズニーファンクラブに入会することで「自分はディズニーフリークなんだ」という意識の表明になります。そこで特別なグッズを購入すればその意識はさらに高まり、ブランド乗り換えリスクがかなり低減されます。

 

以上のように、カスタマーエクスペリエンスを高めることで、企業は様々なメリットを得ることができます。この機会にカスタマーエクスペリエンスの向上を目指してみてはいかがでしょうか?

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