どうしたらいいの!?コンテンツマーケティング効果測定のあれこれ

コンテンツマーケティングを導入してしばらく、マーケティング担当の方がまず最初につまづくのが“効果測定”ではないでしょうか?Webサイト公開からコンテンツ数も徐々に蓄積され「そろそろ効果が出てもいいはず」と考えてはいても、どの程度の効果が現れているのかを測定する術が分からず右往左往している方は多いと思います。

効果測定方法が「分からない」だけならまだしも「間違っている」ことも多々あり、コンテンツマーケティング失敗に繋がるケースも珍しくありません。こうした事態を避けるためにも効果測定の基本はしっかりと押さえておきたいものですね。

そこで今回は、コンテンツマーケティングの基本とも言うべきKPIの知識などを、効果測定が失敗する原因と合わせて紹介していきます。

まずはコンテンツマーケティングの効果測定が失敗する理由から確認していきましょう。

コンテンツマーケティングの効果測定が失敗する4つの理由

流入数やSEOが評価指標となっている

「トラフィックは増加したけど効果が出なかったから諦めた」というのはよくある話で、実際は「効果が出なかった」ではなく「効果が出るための施策を何もしなかった」という非常にもったいないケースです。

流入数やSEOばかりを追っている事が原因なのですが、これらはあくまで一つの指標であって最終的なKGI(ゴール)にはなり得ません。

複数の指標から総合的に判断することが大切だということを理解しておきましょう。

測定期間が短か過ぎて効果が出ないと諦めてしまう

コンテンツマーケティング中長期的な施策であり、短期間で結果の出るものではありません。皆さんが参考にしている毎月数百~数千万PVを獲得しているWebサイトなども、最初から成果を上げていたわけではなく運営から数カ月~数年で現状を築き上げています。

しかし、予算やコンテンツマーケティングへの理解不足から短期的な効果測定を行い、結果が出ないことで打ち切りになるケースが少なくありません。

また、ホワイトペーパーやeBookといったリード獲得ポイントを作成する際は、コンテンツ作成などとの兼ね合いで計画が遅延しがちになり、その分効果測定にかける時間が短縮されてしまうことがよくあります。

コンテンツ作成で流入数確保が先なのか、リード獲得のためのポイント作成が課題なのか、優先順位を付けて施策を展開しましょう。

売上げや問い合わせに重点を置いてしまう

コンテンツマーケティングの評価指標として売上げや問い合わせを掲げている企業は多いですが、BtoCであればそれでも問題なく機能するでしょう。しかし、BtoBにおいては「コンテンツから直接的に売上げに繋がることは少ない」という認識を持たなくてはなりません。

そもそも売上げというもの自体コンテンツマーケティングのみで成り立つものではなく、様々な経路からリード獲得を行いセールスをかけることで生みだされていきます。

コンテンツマーケティングでは購買プロセスのうち「リード獲得」や「ブランドロイヤリティ向上」のために行うのが一般的です。

売上げや問い合わせだけを追っていると適切な評価ができなくなってしまうので注意しましょう。

数字を追うだけで具体的な課題が見えていない

中には、KPIを正しく設定できていても数字を追っているだけで具体的な課題が見えていない場合があります。効果測定とは本来コンテンツマーケティングを評価して現状課題を把握し、継続的に改善していくために行うものです。

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数字を見て終わるのではなく、そこから汲み取れる課題を洗い出し改善案を積極的い提案していきましょう。

コンテンツマーケティングの基本的なKPI

コンテンツマーケティングのKPIを設定する上で重要なのは、複数の指標を定めて総合的に判断するために設定することです。KPIとして基本的な評価指標をまとめたので、これまで流入数やSEOばかりに着目したいた方は参考にしてください。

MQL(Marketing Qualified Lead)

意訳すると「マーケティングで獲得した有望見込み客」であり、主にWebサイトのホワイトペーパーやeBookなどリード獲得ポイントで得たリードが該当します。特にオウンドメディアなど自社Webサイトから獲得したリードはモチベーションが高いので、重要な評価指標の一つです。

SQL(Sales Qualified Lead)

「マーケティング意外の営業活動から獲得した有望見込み客」であり日本企業の営業では「引き合い」と呼ばれていたいリードです。しかし最近では、リード獲得をマーケティング中心に行い営業が商談でクロージングするというスタイルが増えていることから「マーケティングから打ち上がった商談可能な見込み客」という意味合いが強くなっています。

ですので、コンテンツマーケティングの効果測定の一つとなり得る指標です。

PV(Page View)数

言わずもがな、Webサイトがどれくらい閲覧されているかを示す指標ですね。PV数だけを追うのは危険ですが総合的に評価する上では欠かせません。

UU(Unique User)数

UU数とは一定期間内にWebサイトへと訪問したユーザー数を示す指標であり、閲覧ページ数ベースで測定するPV数に対し訪問者数ベースで測定します。単純に「どれくらいのユーザーがWebサイトへ訪問しているか?」を知ることが可能です。

エンゲージメント

エンゲージメントとはここ最近のバズワードであり、主にソーシャルメディアにて用いられる指標です。Facebookなら「いいね!」された数やコメント数、Twitterならリツイート数やフォローされた数などでエンゲージメントを測定します。

リテンション

リテンションとは「維持・保持」という意味があり、マーケティングにおいては既存顧客との関係維持を示します。コンテンツマーケティングにはリード獲得だけでなく、既存顧客のリテンション・ロイヤリティ向上といった目的もあるので、評価指標の一つに組み込んでおきたいところです。

サイト滞在率

ユーザーが平均してどれくらいの時間サイトに滞在しているかを示す指標であり、ユーザーのロイヤリティを測る上で効果的です。

成約数

コンテンツマーケティングで獲得したリードから成約につながった数。

成約率

コンテンツマーケティングで獲得したリードに対し成約につながった数をパーセンテージで表したもの。

CV(Conversion)数

コンテンツマーケティングからCVにつながった数。何をCVとするかは企業により異なります。

CV(Conversion)率

Webサイト訪問者からCVにつながった数をパーセンテージで表したもの。

以上がコンテンツマーケティングにおける基本的なKPIですが、複数のKPIを設定し総合的に評価するのが理想的です。しかし企業によってはそれが難しいということもあるので、最低でも3~5つ程度重要な指標を選定し効果測定を行うことが大切です。

日米コンテンツマーケティングの違い

世界中の技術やマーケティングに対する概念は米国(特にシリコンバレー)で生まれることが多く、日本へは2~3年程度の遅れで渡来すると言われています。こういった差はコンテンツマーケティング運営にもハッキリと出ているので、日米の違いから今後考えるべきことを汲み取りましょう。

施策の目的の違い

日本では主にリード獲得や問い合わせといったCVを目的に設定しているのに対し、米国ではブランド認知やブランドロイヤリティの向上が主な目的です。

効果指標の違い

日本では主にトラフィックやCV率などに重点を置いているのに対し、米国ではエンゲージメントやサイト滞在時間など複数の指標で総合的に評価しています。

日本ではCVに目的を設定していることから、効果指標も当然CVやそこに繋がるトラフィックなどに集中している傾向があります。これはコンテンツマーケティングが従来のマーケティングの延長線上にあると認識していると考えられますね。

対して米国ではブランド認知やロイヤリティ向上に目的を置いていることから、従来のマーケティングとは切り離してコンテンツマーケティング自体の意義を確立していると言えます。

このような日米の違いから、日本では今後「CV志向」ではなく「ユーザーに愛されるブランドになるための施策」としてコンテンツマーケティングを展開するという課題が挙げられそうです。

事実、日本においてもコンテンツマーケティングに成功している企業ではブランド認知やロイヤリティ向上を重視している傾向が強く、米国式の考えがコンテンツマーケティングに適していると言えます。

もちろんCVを追うことで成功している企業も存在しますが、現在コンテンツマーケティングに行き詰っているという企業はブランド認知などに目的をシフトすることで成功するケースもあるのではと思います。

まとめ

最後に、コンテンツマーケティングの効果測定を正しく行うためにはアクセス解析などの導入が欠かせません。複数ツールの導入では業務が煩雑化する可能性もあるので、おすすめは統合的なマーケティングプラットフォームを導入することですね。

案件管理からアクセス解析、データ分析などをワンストップで行えるシステムならばコンテンツマーケティングの効果測定及びPDCAサイクルを迅速化することができます。改善スピードが後々の結果に大きく響くのがコンテンツマーケティングなので、マーケティング担当として検討しておくといいかもしれません。

今回はコンテンツマーケティングの効果測定が失敗する原因や基本的なKPIなどを紹介しましたが、まずは基本を押さえて正しい評価を行い、自由な発想で施策を展開していって欲しいと思います。

自由度の高いマーケティングだからこそ、基本を押さえることがとても大切ですね。

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