MA(Marketing Automation)ツールがデジタルマーケティングを支えるIT製品として市場を席巻する中でも、メール配信システムは今も昔も欠かせないマーケティングツールの1つです。メール配信システムは、会社のメッセージを伝えるためにメルマガ等を発行する企業では重要度の高いシステムと言えるでしょう。本稿は、メール配信システムの刷新、および新規導入を検討している経営者やマーケティング担当者に向け、全26製品のメール配信システムをご紹介するとともにその特徴などを比較しています。また、選定基準に関してもご紹介します。
有料メール配信システム21製品
配配メール
導入実績が6000社を超えるメルマガ配信システムの老舗的存在。簡単な操作で利用できる安心感があり、視覚効果の高いHTMLメールが初心者でも簡単に作れます。また、迷惑メールとしてブロックされる可能性を最大限に排除しているため高い到達率を実現します。
MailChimp
MailChimp(メールチンプ) は、2001年創業のアメリカ合衆国の企業であるロケット・サイエンス・グループのサービスで世界的に有名なメール配信サービスです。フリー版もあったり非常に日本でも使っている企業が多い特徴があります。
SPIRAL®_メール配信システム
シンプルな画面構成と直感的な操作感によって、初めてメール配信システムに触れる人でもすぐに使いこなせます。高いセキュリティとカスタマイズが可能な点が特徴です。また、画面を共有しながらの安心サポートと、迅速な対応で初心者でも安心して利用できるでしょう。
b→dash(ビーダッシュ)
棲み分けとしてはMA寄りのマーケティングツールですが、メール配信機能を搭載しています。データの一元管理、クロスチャネル戦略が可能であり、シンプルな操作性を持っています。
Benchmark Email(ベンチマークイーメール)
HTMLメールエディターによって初心者でも簡単にデザイン性に優れたメールを作成できます。リアルタイム配信レポートにより、メール配信状況等を瞬時に確認できるため、一歩先を行くメールマーケティングが可能です。
Blastmail(ブラストメール)
業界高水準の契約実績を持つメール配信システムであり、企業だけでなく官公庁でも活用されています。10年以上にわたってサービスを提供し続けてきた技術力やノウハウを活かし、独自開発の高速配信エンジン等を搭載しています。
Cuenote FC(キューノートエフシー)
月間合計36憶通ものメール配信を行っており、あらゆる規模やシーンでの活用を想定しています。そのため、API(Application Programming Interface)を利用してECサイトや会員データベースとの連携も可能です。
EXPERT MAIL(エキスパートメール)
読者5,000人まで、1日10,000通までのプランで低価格のメール配信システムを探しているのならば、月額1,970円で利用できる同製品がおすすめです。導入実績も10,000社と高く、安心して利用できます。
Starseven(スターセブン)
読者数が多いほど利用料金が安くなるメール配信システムです。読者数500名では月額3,000円と高額ですが、読者数15,000名を超えると1名あたり月額1円の料金で使用できます。
WEB用CRMシステム「クライゼル」
そもそもはCRM(Customer Relationship Management)製品ですが、メール配信機能とフォーム作成機能に強みを持っています。アカウント数の制限が無いので、コストを気にせず使用できるのも特徴です。
WiLL Mail(ウィルメール)
マウスポインターでのドラッグ&ドロップ操作だけで、誰でも簡単にHTMLメールが作成できます。ヒートマップ分析やファーストタッチ分析を始め、12種類の分析機能によってメール配信を多角的に分析できます。
Zoho Campaigns
こちらもドラッグ&ドロップ操作で簡単なHTMLメール作成を実現。豊富なデザインテンプレートが用にされているので、メール作成時のデザインの困ることもありません。自動レスポンシブデザインに対応しています。
アララ メッセージング ソリューション
月間で配信するユニークメールアドレス数で料金設定がされているので、配信頻度が多い場合はコストパフォーマンスが高くなります。オンプレミス版とクラウド版、好きな導入形態から選べます。
オートビズ
年間契約をすると2ヵ月分無料になるので、活用シーンによっては高いコストパフォーマンスを発揮します。読者登録は50,000と決められていますが、基本的には無制限となっています。
お名前.com メールマーケティング
50,000件以上のメールアドレスへの大量配信を可能にしており、状況に応じて配信速度に関する希望も対応してくれます。多数の機能を追加料金なしで利用できるので、料金をシンプルにまとめたい人におすすめです。
カスタマーリングス
顧客情報と購買履歴をもとに1対1のメール配信も可能であり、顧客に合わせたステップメールも配信可能です。分類的にはEC事業向けのMAツールですが、大量のメール配信にも対応しています。
コンビーズメールプラス
月額2,300円から利用でき、多機能で顧客管理にも使えるメール配信システムです。
16,000社以上の導入実績があり、プライバシーマーク、ISO27001、TRUSTeを取得していることからセキュリティ性も安心できます。
さぶみっと!メール配信
読者1名あたり月額1円以下で利用できるメール配信システムです。業界最安級であり、無料トライアルも実施しているので、実際に利用してみてから導入可否を判断してみましょう。
ナウゲッタmail
年間契約では初期費用が半額になり、月額料金が1ヵ月分無料になります。配信数が無制限なので、読者数は少なくてもメルマガをどんどん配信したいという企業におすすめできます。読者1名あたりの月額料金は1円以下。
める配くん
読者5,000名、月間30,000通配信で月額1,886円という恐らく業界最安値の価格です。読者や配信数が増えて上位プランを利用しても、月額料金の上り幅を抑えることができるため、コストへの不安がありません。
ワイメール
完全定額制であり、登録読者数、配信数、ストーリー作成数が無制限のメール配信システムです。IPアドレスも契約者専用のものを利用できるので、サーバーやIPアドレス、ドメインなどが他の利用者と共有されることはなく、迷惑メール対策も万全です。
無料メール配信システム5製品
acmailer(エーシーメイラー)
全機能を無料で利用できる上に広告は一切なし。ただし、サーバーをレンタルするには月額4,000円~のプランを契約する必要があります。サーバーを独自に設置できる企業におすすめです。
MailChimp(メールチンプ)
登録読者数が2,000件以内、月間12,000通配信以内ならば無料で利用できます。英語ベースのメール配信システムですが、使い慣れるとデザイン性の高いメールが簡単に作成できます。
melma!(メルマ)
インターネットにさえ接続できれば、誰でも手軽にメール配信が可能です。メールマガジンを発行すると、読者のクリック数に応じてポイントをもらうことができ、現金やお食事券との交換が可能です。
ORANGE MAIL(オレンジメール)
読者数100名までなら無期限で無料利用できます。動画による操作解説付きなので、初めての方でも安心です。100名を超える利用では初期費用12,800円、月額2,480円がかかります。
まぐまぐ
メール配信数にかかわらず基本使用料が無料であり、業界中でもメール到達率が高いメール配信システムです。ただしメールアドレスの自動登録機能がないので、有料で代理登録を依頼する必要があります。
Eメール配信システムの評判
これだけ多くの製品がひしめき合うEメール配信システムの市場ですが、実際に評判はどうなのでしょうか?以下のグリッド表は北米ユーザー評価サイトであるG2Crowdによるユーザー評価の状況です。残念ながら国産のEメール配信システムは登場しませんが北米でも色々な製品やサービスがひしめく中でMailChimpとConstantContactが活躍していることがわかります。
https://www.g2crowd.com/categories/email-marketing
メール配信システムの選定基準
実は多くの企業がメール配信システムの選定に苦慮しています。確かに上記で紹介したようにたくさんの選択肢が存在しますし、最近ではMAツールを導入した方が結局良いよねというケースが多々あります。弊社にもメール配信システムからMAツールであるHubSpotへ移行した場合の試算を求められるケース、そしてMAへの移行をするケースが多い状況です。その理由はセキュリティ面であったり、機能が豊富で同じくらいの値段であればMAの方が良いというものです。
それでは、どのような基準軸でメール配信システムを選べば良いのかをご参考までにご紹介します。
- セキュリティ
- 導入コストと運用コスト
- 操作性
- 近代的な機能の搭載
- 他システムとの連携性
- 大規模配信への対応力(これら企業によって含まないケースもあります)
- クラウド版(よほどのことがない限りこちらになるでしょう)
- カスタマイズ性
- グローバル対応力
- 分析力
- 実績
何と言っても昨今のセキュリティインシデントの多発から個人情報を抱える企業が最も重要視しなければならないポイントが「セキュリティ」です。それ以外にも検討軸は多く存在しますが自社、自分に合ったメール配信システムを選ぶためには、まずメール配信の目的を明確にして、そこから選定軸を決め適切な製品を選択することが重要です。
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