セグメンテーションの意味とは?分類の例も紹介

 2019.07.12  LeadPlus

セグメンテーションとは市場を細かく分け、ニーズごとにグループ化することを言います。ユーザーのニーズが多様化している市場で各ユーザーに向けた適切にマーケティングをおこなうために、住む場所、出身地、年齢、性別、趣味など特定の属性ごとに市場を細分化することが重要になっています。

今回はセグメンテーションについて、その意味や目的、事例や実際に行うための考慮すべきポイント、実践手法などをご紹介します。

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セグメンテーションの意味

FacebookなどSNSではユーザー個別のデータを利用したマーケティングが普及してきています。サービスを利用する際にユーザーが登録した年齢などの基本情報や、ユーザーが閲覧したページやネットで購入した商品などの行動ログを集計して可視化できるようなシステムが整ってきており、特定の年齢層のユーザーや一定の好みを持つユーザーのみにターゲティングして広告を配信できるのがSNSの大きな特徴になっています。

このように、自社製品のユーザーのペルソナをつかみ、自社製品に親和性があるユーザーに対し選択的にアプローチする環境が整ったため、セグメンテーションが重要な意味を持つようになったのです。

セグメンテーションの目的

20世紀までは世の中のすべての人を対象におこない製品を開発し、大量生産をおこない、マスメディアを利用したマーケティングをおこなうのが普通の手法でした。

しかし、成熟期を迎えた21世紀の市場ではユーザーのニーズも多様化しています。その中で企業が競争優位性を保つためには、多様化したニーズにフィットした製品開発やマーケティングをおこなうことが求められています。市場に存在するユーザーを理解し、適切なターゲットユーザーを定めるために用いられる手法が求められるようになっています。ユーザーの分類が適切におこなわれていれば、ターゲットユーザーに適した製品の開発やプロモーションをおこなうことができます。

STP分析とセグメンテーション

STP分析はマーケティングの重要な手法の一つで、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)それぞれの頭文字をとってつけられています。米国の経営学者フィリップ・コトラー氏が提唱したマーケティング戦略の有名なフレームワークで、今では世界中の多くの企業で導入されています。

ユーザーのニーズが多様化している現代では、万人向けの製品は、誰のニーズにも当てはまらず、どのユーザーにも必要とされない結果に陥りがちです。そのため新製品を開発するにあたっては、狙いたい市場をピンポイントでつかみ、その対象ユーザーに対して効率的にプロモーションをおこなう方法を探っておく必要があります。そのためにSTP分析が有用なのです。STP分析の要素を、順を追って説明します。

Segmentation(市場の細分化)

STP分析フローの最初の段階で市場に存在するユーザーをニーズごとに分けてグループ化することをセグメンテーションと呼んでいます。ユーザーデータなどをもとに、ニーズごとに絞り込んでグループ化した「セグメント」を作成します。

Targeting(ターゲット選定)

ニーズによって分けられたセグメントの中から、自社製品の特徴や価格帯をもとに、自社製品をアピールするのに「最も好ましいグループ」を見つけ出し特定するプロセスです。選定されたターゲットに従って、製品開発の方向性や、マーケティングの対象を確定させ、それに合わせて機能を絞り込んだり効果的なプロモーション方法を検討したりすることができるのです。

Positioning(市場優位性の検討)

ターゲットに選定したセグメントの顧客に対し自社の製品を買ってもらうために、市場においての競合製品との位置関係を明確にし、自社製品が市場優位性を保つために必要な性能、品質やプロモーションの方法を検討します。
これらのSTP分析も、時間の経過とともに実際の市場と乖離していくこともあります。ユーザーのニーズや競合製品の状況も時間や環境の変化に伴って姿を変えていくためです。定期的に見直しをおこなって、現状に即した最新の分析を利用したマーケティングをおこなえる態勢を整えておきましょう。

セグメンテーションによる分類の例

いろいろなセグメントに分けるための基準となる切り口には、主なものとして次の4種類があります。

BtoBマーケティングお役立ち資料

地理的変数

国、都道府県、市町村などの地理的な違い、暑い寒いなどの気候、人口密度、その土地の交通手段、政府の規制、土地独自の文化などによって分ける方法です。具体的には国内か海外か、国内なら関東か関西か、関東なら千葉なのか神奈川なのかというように対象を絞っていきます。家電、衣類、食品などは地理的変数の影響が大きくなりますが、インターネット通販やオンラインサービスではあまり重視されないこともあります。

人口動態変数

年齢、性別、家族構成、家庭のライフサイクル、年収、職業などの人口動態によって分類する方法を指しており、デモグラフィック変数とも呼ばれます。例えば子育て、就職などの事象はユーザーのニーズや製品の利用頻度などと密接な関係があります。人口動態をもとにしたデータは公的機関の統計や民間企業のリサーチなど利用可能な形で公開されているものも多いため、よく利用される変数です。

心理的変数

ライフスタイル、価値観、好み、性格など感性にかかわる事項で分類するものがこれにあたります。インターネットブラウザやアプリが記録するユーザーの行動履歴を収集したビッグデータを解析してユーザーの需要予測などができるようになり、頻繁に利用されるようになりました。現代ではユーザーの価値観も多様化し複雑になっているためグループ化が難しい部分がありますが、ユーザーの購買に向かわせるには重要な要素です。

行動変数

どのような意識で、どんな様子でユーザーが買い物をしているのかなどといった要素です。それまでの購買状況や、その製品が購入されたり消費されたりする回数、頻度、消費者が求めている価格やパフォーマンスなどが行動変数に該当します。また、返品する場合のユーザーの態度や購入パターンもこの変数に該当します。

セグメンテーションで考慮する要件

必要な部分のみ分類をおこない、時間の浪費につながる不要な細分化を避けることが重要です。何が必要か判断するのに使われる代表的な視点がセグメンテーションの4Rと呼ばれる「優先順位(Rank)」「有効規模(Realistic)」「到達可能性(Reach)」「測定可能性(Response)」です。

優先順位

重要度に応じてユーザーを振り分けた順位が優先順位(Rank)の視点です。

有効規模

対象のセグメントに十分な市場規模があるかどうかを検討し順位付けをおこなうという観点が有効規模(Realistic)です。ターゲットに適した製品やマーケティング施策があったとしても、そのターゲットの人数が少ないなど規模が小さくて十分に売り上げや利益を確保できない場合は有用でないと判断し対象から外します。

到達可能性

到達可能性(Reach)では、ターゲットとなる層に届くような製品の開発やマーケティング施策があるかどうか、実現可能性はあるか、難易度はどれぐらいかなどを判断します。

測定可能性

製品の開発やマーケティングを特定のセグメントに対しておこなった場合に、ユーザーの反応などを測定したり分析したりできるかを示す指標が測定可能性(Response)です。製品開発やマーケティングがもたらした効果を適切に測定したり分析したりできれば、さらなる向上に向けて次のPDCAサイクルを回すことができます。ターゲットが実際にどう動くかという反応が測定できれば今後の方針に反映できるので重要な指標です。

現実にみられるセグメンテーション

ここでは実際におこなわれている事例を紹介します。

パナソニック レッツノート

薄型モバイルノートパソコンのレッツノートは、外回りをする営業担当にターゲットを絞り、軽さや薄さ、長時間使用できるバッテリー、野外でもはっきりみえる高輝度のモニター、防水性、堅牢性などを徹底的に重視した開発をおこない、ロングセラー商品となりました。PC市場は1990年代終盤に、それまでのビジネスユース中心から音楽や映像やネットを使いたいプライベート用途が購入者の中心になりました。ライバル企業はその流れに上手く乗ってシェア拡大に成功したのですが、元々ビジネスユースが中心だったパナソニックが立ち上げたプライベート向けのブランド「人」(ヒト)は流れに乗れず失敗に終わり、PC事業自体が撤退するかどうかの瀬戸際に追い詰められました。パナソニックはそこで方針を変え、法人向けのニーズでセグメンテーションをおこない、外回り営業担当者をターゲットに絞って(ターゲティング)、商品開発(ポジショニング)をおこないました。レッツノートの場合、この一連のSTP分析が成功につながった要因と言えるでしょう。

フィリップ・モリス IQOS

2015年に発売されたフィリップ・モリスの「IQOS(アイコス)」は地理的変数と心理的変数を用いたセグメンテーションに従って、製品開発とプロモーションをおこなった事例です。
世界的に禁煙促進の潮流が強まる中で、日本では法整備も企業による製品開発でも後れをとり、政府も受動喫煙対策を重要視しつつ有効な施策を打てていない状態でした。

フィリップ・モリス社はその現状を分析し、加熱式タバコは従来の紙巻きタバコよりも健康被害が少ないとされている点で、日本政府も税率低減などの優遇策に踏み切る可能性が高く、市場として有望であると予測しました(地理的変数)。また、周囲に配慮する傾向が強い日本の文化特性を把握し、日本は加熱式タバコの有効な市場であると判断したのです(心理的変数)。結果、発売開始から1年間で約200万台を売り上げるヒット商品になっています。

Webマーケティングにおけるセグメンテーション

Webマーケティングでもセグメンテーションは重要です。過去のユーザーの行動履歴、検索履歴などの行動変数、会員登録した時に入力する年齢などのデータなど膨大なデータを利用しやすいため、Webマーケティングでは、より正確で細かいセグメンテーションに基づいて施策をおこなうことが可能になります。

広告とセグメンテーション

リスティング広告

検索キーワードに連動して広告を配信するリスティング広告では、検索キーワードごとにユーザーをグループ分けし、コンバージョンに結びつきやすいセグメントを特定して広告を配信することで広告効果の向上が期待できます。
またPV数や直帰率などのアクセスデータから顧客の検討段階を特定し、今すぐに購入しようとしているセグメント、情報収集をしているセグメントなど、ユーザーの段階ごとに適切な情報を提供して、幅広い層に対して効果的にプロモーションをおこなうことが可能になります。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、ユーザーが閲覧したページや購入した商品などの行動履歴をもとに配信する広告です。サイトを訪れたユーザーをセグメント化し、広告プラットフォーム上に存在する性別や年齢などのデモグラフィック変数をもとに自社製品と相性のよいセグメントを抽出して広告を配信します。そうすることで、広告効果の向上が期待できます。

コンテンツマーケティングとセグメンテーション

コンテンツマーケティングとは、ユーザーの購買プロセスを理解した上で、ターゲットユーザーにとって効果的なコンテンツを提供し、双方向のやりとりをおこないながら購買行動につなげるマーケティング手法です。

リスティング広告やディスプレイ広告と比べて広告色が弱いため、ユーザーに広告をみているという感覚を持たれにくく、自然な形でプロモーションをおこないやすいのが特徴です。

また、コンテンツマーケティングはその製品に関心がないユーザーや、潜在的なユーザーにも効果があります。関心がないユーザーは、その商品に関連したキーワードでの検索をおこなうことはありませんし、リスティング広告やディスプレイ広告を積極的にクリックする可能性はあまりないと言えます。しかし、無関心なユーザーを想定して作られたプロモーション用のコンテンツなら、広告をみているという感覚が薄いまま製品を理解し、興味を持つ可能性が生まれるのです。
また、Web上での行動履歴や検索履歴などから、無関心層の中でも購買行動に結びつきやすいセグメントを選び出して、そこに特化して効率のよいプロモーションが望めます。

もちろん、効果的にコンテンツマーケティングをおこなうにあたっては適切なセグメンテーションがおこなわれていることが重要です。

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