BtoC向けのマーケティングオートメーション、選び方と検討すべきツール

 2018.10.05  LeadPlus

一般的な考え方として購入までに息の長い製品やサービスにMAツールは向いています。そのような背景からマーケティングオートメーションツールは、BtoBを中心に普及が広がりました。

以前からMAツールは「BtoCでも使えるのか」「BtoBとBtoCでは何が違うのか」「BtoCに適したMAツールはどれか」といった疑問の声が多く聞かれました。 弊社にもBtoC企業の方々からこのようなお声を多数いただいております。

そこで今回は、BtoCで検討すべきツールのポイント、具体的に検討すべきツールの情報も加えて紹介していきましょう。

MAの目的を整理

最初に、MAの目的を整理しておきましょう。

一般的なMAは次のような目的を担っています。

① One-to-One Marketing(ワントゥワンマーケティング)を実現する。
② リード(見込み客)獲得とナーチャリング。 

①は広義のMAです。

ユーザー個々人に対して最適な施策(One-to-Oneマーケティング)を、自動で実行します。

②はより実務的なMAツールの説明として聞かれます。

問合せなどで獲得したリードを、オンライン上でさまざまな施策を用いてホットリードへと育成、それを営業部門へ見込み度合いの高い顧客として引き渡す。これがMAが飛躍的に伸びてきたストーリーです。

まさにBtoBのモデルというのがよくわかります。

BtoCの場合には自社のページにランディングさせて即座に購入させるケースがほとんどで②のストーリーがBtoCにはあてはまらないケースが多い、というのはすぐにイメージができるでしょう。

MAの目的の二つを押さえたうえで、次はBtoBとBtoCのビジネスモデルの違いを明らかにしてみましょう。 

BtoBとBtoCの違い

a. 検討期間

たとえばハーブティーのECサイトで1,000円程度の商品を扱う場合に、長い検討プロセスを経てようやく購入にいたるといったビジネスはしていません。リスティング広告で流入して即購入、あるいはそこでの購入はなくてもリマーケティング広告から1~2度ほどの再来訪を経て購入、といった感じになるはずです。

一般的に消費財に関しては検討から購入までの期間は短い傾向にあります。

他方、BtoCでも検討期間が長いケースもあります。

たとえばマンションの購入です。この場合はサイトへアクセスして即購入といったアクションは、まず発生しないはずです。

何度もサイトを訪れてようやく資料請求、といった流れになるはずです。もちろんそこからはさらに長い検討期間に入ります。 このように住宅や車、金融商品など高額な商材に関してはBtoCでも購入までのプロセスは長くなります。

b. 決裁者

1,000円のハーブティーを買うかどうか、決めるのは多くの場合は自分自身(個人)でしょう。

BtoBの場合だと、通常は上長の許可を得たり、部門間の調整があったり、調査をする人材がいたりと複雑です。また、購入まで稟議を通すなど、いくつもの承認プロセスが必要になります。

このことからBtoCの決済は個人が決定するのに対して、BtoBでは複数存在することが大きな違いになります。

もちろん先ほどのマンション購入のように自分以外の家族の合意を取るケースもありますが、企業での決済とそれは性格が異なります。 

 

c. データ量

次に事業者側からBtoBとBtoCがどう違うかを見ていきましょう。 

BtoBの場合、メディアで取り上げられたり新製品のリリースがあったなど特別な場合などを除き、一日の新規問合せや資料請求は数件から数十件といったところでしょう。

一方BtoCでは一日に数百件や数千件、大規模サイトのセールではそれ以上といったケースも多々あります。見込み客となる会員登録数も、雲泥の差です。

つまり対象となるコンタクト数がまったく違います。そして、それに付随する行動履歴などデータ量に大きな差が出てきます。つまり、BtoCの方が圧倒的なデータ量であるということになります。

d. 多様なチャネル

たとえばビジネスの見込み客とLINEで連絡を取り合う。

そうしたケースはBtoBの場では稀でしょう。

一方BtoCでは、LINEは欠かせないマーケティングチャネルの一つとなっています。

LINEの他にスマホアプリやChromeブラウザでのプッシュ通知も、BtoCでは有用なチャネルとして使われています。もちろん、Instagramを中心としたSNSの利用も広がっています。YouTubeも必要でしょうしFacebookやTwitterも欠かせません。

BtoCではこのように多様なチャネルが必要とされます。

MA≒メール配信といった認識を持っている方もいますが、BtoBならまだしもBtoCではとてもそれだけでまかなえるものではありません。

以上、簡単ですがBtoCとBtoBの違いを4つの視点でまとめてみました。

BtoC市場で真剣にマーケティングを行う場合には、BtoB向けのMAツールではちょっと難しいと感じたのではないでしょうか。

関連記事:ゼロから学ぼう!BtoBマーケティングの基礎知識
関連記事:BtoBマーケティングで実践できる20個のマーケティング手法

BtoCで検討すべきMAツール選定ポイント

前章をもとに、BtoCのMAツールで検討すべきポイントを挙げてみましょう。 

  • 膨大なデータ量に耐えられる
  • 複数のシナリオを組むことができる
  • 多くのチャネルに対応できる

少なくともこの三つは必須です。

なおチャネルとは自社サイトやオウンドメディアも含みます。

ですからコンテンツを大量に作ることができる、その中でユーザーごとの出し分けができるという機能も大切です。 

これ以外に、最近のMA利用企業のニーズも参考として加えておきましょう。

  • 操作がしやすい、インターフェイスが親しみやすい
  • ツールの数が多くなりすぎない、機能が分散しない
  • 導入から運用までサポートがきちんとされる
  • 価格が安い

最近は使い勝手もかなり気にされています。これには「実際にツールを入れてみたけど、難しすぎて使えなかった・・・」という、入れ替えのケースが増えているからです。

またBtoCだとMA以外のデジタルマーケティングツールに接する機会が多くなっていて、ユーザーフレンドリーな操作画面のものが多くなっています。ですからシステム色が強い無骨な管理画面は、BtoBの現場に比べて敬遠されがちです。 

BtoB向けMAツールでも機能は満たすけど価格が・・・

BtoB向けMAツールのトップ3と言えばMarketo、HubSpot、Pardotです。この3製品はおそらくBtoB企業のマーケティング担当者であれば知っているでしょう。

これらの製品はBtoC企業のマーケティングでも有効に働きます。BtoC企業のマーケティングの方も、これらの製品の最近の機能強化はBtoCでも使えると思う場合もあるのではないでしょうか。

しかし、これらの製品のライセンスの考え方は、コンタクト数に比例して課金されていきます。つまり、BtoC企業でよくある個人情報数十万件というレベルになると法外なライセンス価格が必要になってしまうケースが多々あります。

例えばHubSpotの場合、こちらのカリキュレータ(HubSpotの価格計算)で計算すると50万件のコンタクト数で月額87万6,000円になります(HubSpot Marketing Hub Enterprise)。これはちょっと高いよねと思う企業がほとんどではないでしょうか。(正直、BtoCで数十万件の個人情報を抱える企業は最初から諦めるのではなく、弊社にお声がけいただければといつも思いますが・・・・)

CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)

BtoBで必要不可欠な時間をかけてのナーチャリングについては、BtoCでは不要なケースが多くあります。先ほどのハーブティーの例はまさにそれです。

BtoCでは、ユーザーは広告などからランディングして即断即決で商品購入、以降はリテンション率を上げていくことが一般的であり、そういう意味でOne-to-One Marketingは必要になります。

そのためOne-to-One Marketingにフォーカス、さらに複数チャネルを扱うのに長けたツールを、MAツールの一つのバリエーションとして「CCCM(クロスチャネル・キャンペーン・マネジメント)」と呼ぶ場合もあります。

実際に「この製品はCCCMです」と宣言しているツールも存在します。 ただしCCCMがBtoCに強みを持つのは間違いないものの、「BtoCはMAではなくCCCMを使うべき」というわけではありません。その点は注意しておきましょう。

またメール配信ツールで簡単なシナリオと自動化機能を持つツールがあれば良いというケースもあります。複数のチャネルを扱うことは当面考えておらず、メール配信のみを自動化したいという場合においてもこうしたツールも有効です。

BtoC向けのツール

それでは具体的なBtoC向けのMAツールを紹介していきましょう。

既に無数のツールが世の中にはありますので代表的なものをいくつかピックアップいたします。

総合的なツール

Salesforce(セールスフォース)

ビジネスの世界ではその名を知らない人はいない、というほど有名なツールです。BtoBのイメージが強いですがBtoCでも多く使われ、大規模ECサイトでの実績も多く持ちます。 

Adobe Campaign(アドビキャンペーン)

Adobeのマーケティングツールです。Adobeアナリティクスを導入し、そのデータをシームレスに生かしたいといった場合には優先的に検討したい製品です。 

データ基盤をベースにしたもの

b→dash(ビーダッシュ)

データを集め、それを分析や各種の施策に展開できるツールです。メール配信以外にプッシュ通知やレコメンド、LINE連携など豊富な施策が実行できます。 

Aimstar(エイムスター)

データの蓄積から活用が一気通貫でできる、BtoCでは多くの場面で検討されるツールです。 分析機能に優れ、最近は機械学習を用いた自動化にも力を入れています。

Probance(プロバンス)

ツール自体がデータ基盤を持つというわけではありませんが、日本国内の導入実績トップクラスのDMP「Rtoaster」と連携することでより効果を発揮するBtoC専用のツールです。

機能に特化したもの

Cross-Channel Marketing Platform (CCMP)

製品名からも分かる通り、BtoCに特化したツールです。各種チャネルでの活用、特に「MailPublisher」と同じ会社の提供なのでメール機能に強みを持ちます。 

MAJIN(マジン)

総合的なツールですが、DSPの企業が提供しているだけあって広告連携で大きく力を発揮します。集客でもMAを生かしたい、という場合には検討すべきでしょう。

BtoBにも対応できるもの

Marketo(マルケト)

抜群の知名度を誇り、MAの代名詞といえるほど有名なツールです。連携に優れ、日本国内でも多くの導入実績があります。Adobe傘下になったことで、今後の提供形態が変わる可能性もありるので注視すべきでしょう。

Hubspot(ハブスポット)

Marketoとともに、MAの成長期に知名度を上げたツール。近年はMAというよりも、自動化機能を含んだ総合プラットフォームとして進化しています。コンテンツマーケティングとも親和性が高いツールです。 

まとめ

実際にはこの何倍もBtoC向けのMAツールはありますので、資料請求や問合せは積極的におこない、最低でも3~5社程度は実際に会ってデモや説明を聞くようにしましょう。

最後にBtoBにもBtoCにも使えるツールとしてHubspotを紹介しましたが、力を発揮するのはやはり検討期間が長いケースです。 具体的には不動産やスクールといったように、資料請求をしてから申込みまでの期間がある業界が適しています。

国内のBtoCの導入事例も増えていますので、興味がある方は弊社へお問合せください。 BtoCでのHubspotの使い方に加え、コンバージョンがアップした事例についても直接ご紹介いたします。

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