プル型営業で失敗しないためのさしすせそ

多くの経営者が売上を向上させたいと思っています。そして、必ずと言って良いほど経営者が口にすることが「営業力強化」です。

そのために営業を新たに採用するというのが一般的な流れとなるわけです。新たな営業が加わることで顧客カバレージは拡大するだけでなく、新規顧客開拓に期待するのでしょう。

しかし、昔ながらの営業スタイルでは限界を感じるときが必ずきます。

インターネット技術の発展により、顧客は営業と対面する前からあらゆる情報を入手しています。あっという間に競合製品を調べ上げ他社製品の優位性を学んでしまいます。また、本当に顧客が必要とするときだけインターネットで情報を調べて購入するというスタイルが一般化されているため、プッシュ型の営業スタイルは、ますます受け入れられない状態となります。

つまり、今までのように客先に出向いて、製品紹介をし、デモを実演して売れていた時代ではないわけです。

今回は、このような状況の打開策としてプル型営業を導入したいと考える企業経営者の方に、その方法について説明していきたいと思います。

プル型営業って何?プッシュ型営業と、どのように違うの?

プッシュ型営業には、社内の営業担当者が積極的に顧客にアプローチすることで売り上げを伸ばすことができる強みがあります。当然、商品やサービスを望まない企業にも営業に行くことになるため、精神的に消耗してしまうことも多く、メンタルダメージに強くないと仕事を継続していくことができません。

基本的にプッシュ型営業は、根性論が多く1日に何件回った、代表電話から何件のアポをとったなどの行動が見受けられます。

一方のプル型営業は、上記のプッシュ型営業とは真逆の営業方法です。

そのため、プッシュ型営業のように、社内の従業員が営業に向かいません。自社にお客様の方から積極的に来てもらう営業形式となります。お客様から興味を持ってもらったり問い合わせをいただくわけですから、購入確率は格段にあがるだけでなく、営業効率も大幅に改善されます。

プル型営業とマーケティングの関係

経営者であれば営業はプッシュ型よりもプル型が良いと思うに決まっています。

そのためにはマーケティングの力が必要不可欠になります。

例えば、プル型営業の代表格である自動車販売店は、展示会やショールームへお客様に直接足を運んでもらって売り上げを伸ばすプル型営業形式を導入しています。昔ながらのマーケティングにより、テレビコマーシャルやダイレクトメールなどで商品を認知してもらい足を運んでもらうわけです。

テレビコマーシャルやダイレクトメールはお金がかかります。だったら営業を雇った方が良いと思うかもしれません。

しかし、マーケティングの世界も営業の世界と同じく大きく変わろうとしています。今までのようなプッシュ型(押し売り型)マーケティングはお金がかかるだけでなく投資対効果が低いことが実証されており、プル型のマーケティング(インバウンドマーケティング)が主流になりつつあります。

インバウンドマーケティングは、インターネット技術を駆使してお客様から見つけてもらうマーケティングです。

インバウンドマーケティング完全ガイド
サイト流入/見込み客/売上向上のための 25のWebサイト必須項目

お客様がスマートフォンなどを介して自社の製品を見つけてもらい、興味を抱き、検討することでプル型の営業が成立するのです。

つまり、プル型営業とはマーケティングの力が必要不可欠なわけです。

インバウンドマーケティングの詳しい説明は「インバウンドマーケティング完全ガイド」をご確認ください。

プル型営業を行うための手段を「さしすせそ」から選ぶ

これからプッシュ型営業ではなく、プル型営業を導入して小さな労働力で最大限の生産性を発揮したいというのであれば、「さしすせそ」を実践するように心がけてください。

まずは、「さしすせそ」が何を表すのかについて、一覧でリストアップしていきたいと思います。

  • サイト運営(ホームページ)
  • 紹介型ビジネス(アフィリエイト)
  • 好きな時に来てもらえる展示会
  • セミナー
  • ソーシャルメディア(SNS)

上から順番に頭文字をとると「さしすせそ」となります。

営業の基盤となるサイト運営・ブログ運営

プル型営業を行う場合、絶対に作成しなければいけないものがあります。会社の顔と言っても過言ではないサイトは、必要不可欠です。

もし、あなたのWebサイトが会社概要や社長メッセージ、さらっと並べあれた商品情報のみで構成されている場合、

もし、あなたのWebサイトが人々のためになるものでなければ、商品を魅力的に伝えられていなければ、

真剣にWebサイトを考え直す必要があります。

なぜなら、Webサイトに情報がでていない企業はビジネスに参戦していないのと同じだからです。

「サイトを作成すれば良いと聞いたから」というような安易な理由から開設してしまうと必ず失敗に終わってしまいます。法人サイトを開設する場合は、プロにお金を払って設計・作成することをお勧めします。特にインバウンドマーケティングを熟知したプロに頼むことが重要です。なぜプロに、サイトの作成を依頼するのかというと、下記のメリットが得られるからです。

  • お金は、かかるものの難しい作業を、すべて代行できる。
  • サイトの運営に必要な基礎設計をしっかりしてもらえる。
  • 検索エンジン(集客)を意識したサイト作成をしてもらえる。
  • コンバージョンしやすいサイト作成をしてもらえる。
  • どこを探しても見つからない、自分だけのサイトが作成できる。
  • 素人が作成したサイトとは機能性が全く違う。
  • プロのデザイナーに、洗練されたデザインのサイトを作成してもらえる。
  • 自分が実現したいと思うことを、プロに実現してもらえる。
  • プロから運営方法を指導してもらえる。プロに運営してもらえる。

経営者は、営業を採用するべきか、マーケティングを採用するべきか悩むと思います。

短期的な売上を見込むのであれば営業かもしれません。しかし、真剣にプル型営業にシフトしたいのであれば間違いなくマーケティングに投資するべきです。

例えば弊社のお客様では、数千万円の高額商材を販売しています。それにも関わらず、売上の90%近くをWebサイトからの問い合わせで獲得しています。つまりマーケティングコントリビューション90%です。この企業では早くからインバウンドマーケティングに着目して実践してきたからこそ今のような超高効率な経営を実現したのです。

プル型営業は、サイトが命となるので、計画段階からしっかり取り組むことをお勧めします。

紹介型ビジネス(アフィリエイト)で顧客の訪問を待つ

プル型営業を始めるのであれば、お客様に積極的に自社サイトに来ていただかなければいけません。同じようなビジネスを行っている企業が多数存在する以上、待っていれば良いというわけではなく、極力多くの集客窓口を持つことが収益を安定させることにつながります。

その際、非常に有効なプル型営業として紹介型ビジネスを始められることをお勧めします。一般的にアフィリエイトマーケティングと呼ばれており、紹介してもらった人の数だけ報酬を支払います。言い換えれば、1つの商品が売れるたびに、決められた報酬額を支払うマーケティングです。リファーラルプログラム(紹介プログラム)などとも言います。

廃車業界ではアフィリエイトマーケティングが導入されていて、廃車手続きを行いたいお客様を1人紹介するごとに報酬を支払う形式となっています。自社の商品やサービスがアフィリエイトできるか調べて、実行可能であればアフィリエイトの販売者登録を済ませて、紹介者が現れるのを待つと良いでしょう。

お客様の好きな時に来てもらえる展示会

プル型営業では、お客様に来ていただくことが主流となるため、展示会やショールームが実施できるようであれば検討します。展示会は、お客様が商品やサービスを利用したいと思って来店してくれていますので比較的成約しやすい見込み客です。

プル型営業は、インターネット上だけで完結すると思われがちですが、商材次第では顔を合わせた対面での会話の大切さも意識しておくべきです。展示会でお客様の抱える問題を解決し、顔を見てしっかりと話をすることで、インターネット上のやりとりよりも信頼関係が築きやすいと言えます。投資対効果を勘案しながら検討しましょう。

セミナーを利用して顧客を集客しセールスにつなげる

お客様に来ていただくためにセミナーを実施すると説明すると、非常に難しいと感じてしまうかもしれません。なぜそのような考え方になるのかというと、大勢のお客様の前に立って、大きな声で分かりやすいセールスをする必要があると考えるからでしょう。世の中にはいろんな形態がありますので、できることから始めてみませんか?

  • 勉強することを目的としたセミナー
  • 自宅で学べるオンラインセミナー
  • お互いが情報を共有できるセミナー

不動産業界では税金に関する勉強会のセミナーを開いています。お客様のために、分かりやすく税金の知識を説明し、最終的にセールスにつなげています。勉強会は、顧客にとっても非常に参考になりますし、信頼関係が築きやすいです。最近は、自宅でも受講できるオンラインセミナーというものが流行になりつつありますので、ぜひ検討すると良いでしょう。

ソーシャルメディア(SNS)で共感が得られる情報発信をしよう!

スマートフォンの利用率がパソコン利用者を上回るようになり、企業もソーシャルメディアの重要性について理解しつつあります。サイトへのアクセス数を増やすためにもぜひ導入していただきたい施策です。

NTTコムリサーチのデータとなりますが、ループス・コミュニケーションズと、356社に対して企業のSNS利用に関するアンケート調査の中で、このようなデータを公開しています。

「ソーシャルメディア公式アカウントを運用する企業では、Facebook活用率が約8割、Twitter活用率が5割超、mixi、Google+、LINEが約25%と利用が加速。」

「前年に比べ、問い合わせ件数・自社サイトへのアクセス増加で効果を感じる回答者が多い。」

ソーシャルメディアを上手く運用することができれば、サイトで表現することが難しかったことを表現できるようになります。TwitterやFacebookなど、人間性が確認できるメディア媒体ですので、積極的に利用することで企業のイメージアップにつながり同時に売り上げアップにもつながります。

プル型営業は、できることから始めるのが基本

プル型営業をすることは、決して難しい事ではありません。サイトを開設したり、ソーシャルメディアを運営したり、展示会やセミナーを開くなどどこの企業でも導入できることばかりです。

しかしながらサイトの開設など、投資すべき時にしっかり投資しないとビジネスが失敗に終わってしまう可能性もあるため気をつけなければいけません。

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