ディレクトリ構成やURLの長さはSEOに関係するの?気になったので検証しました

SEO、重要なのはコンテンツ。
先週、Googleが久しぶりに品質評価アップデートの内容を公開しましたね。

医療や健康に関連する検索結果の改善について- Googleウェブマスター向け公式ブログ

医療や健康に関するサイトを運営している場合、医療専門家や医療機関など、信頼性が高く有益な情報が上位に表示されやすくなるということです。つまりその記事を執筆した人も重要ということなのでしょう。また、印象的だったのは「専門用語を使わず、一般人が日常会話で使うような平易な言葉を使うようにしなさい」ということも書かれています。
 
まずは医療という認識でいるのが妥当だと思いますが、IT業界なども横文字で難しい言葉ばかりを利用してしまいがちです。わかりやすい言葉で説明することが今後求められてくるのでしょうね。
 

今回も前回に続き、コンテンツの質ではなくテクニカル面のお話です。

前回の記事はこちらをご確認ください。コンテンツの質以外でSEO的に見落としがちなロジックについて

Webページはコンテンツが大切なのはもちろんですが、確かにGoogleの検索アルゴリズムを考えるとテクニカルな面も見逃せません。

「Webページの階層をこうした方がSEOに有利」「長いURLはダメ」など、今もコンサルタントからいろんなアドバイスはあるようです。 

数ある検索アルゴリズムの一部分ではありますが、その真偽を確かめるべくSEOとURLの関係性について調べてみました。

検索結果を検証

最初に、実際に検索をして上位表示されるWebページのURLを見ていきましょう。

どんな事が見えてくるでしょうか。 

URLからどんな特徴が見えてくるか

近ごろ外を歩いていると、やたらとビルに足場が組んであり、壁を改修している姿が目につきます。そこで、こうした作業である「外壁塗装」で検索してみます。

検索ワード:外壁塗装

検索ワード:外壁塗装 

外壁塗装に関するいろんな検索ニーズが考えられる単一ワードでの検索、一番目に出てきたURLは3階層目までありました。

整理すると1位と2位は3階層目、3位は2階層目、4位も2階層目で5位は1階層目までのURLになっていました。

<<URLの階層>>  

  • 1位のページ:3階層
  • 2位のページ:3階層
  • 3位のページ:2階層
  • 4位のページ:2階層
  • 5位のページ:1階層

なおURLの文字数は、次のようになります。

<<URLの文字数>> 

  • 1位のページ:57文字
  • 2位のページ:40文字
  • 3位のページ:40文字
  • 4位のページ:30文字
  • 5位のページ:39文字

階層は浅い方が良い、URLは長くない方が有利というのは感じられません。

各URLを並べて特徴がないかも、考えてみました。 よく「URLにキーワードが入っていると有利」などの声が聞かれますので、その視点で比べてみました。

すると確かに3位のWebページの表示URLは日本語、しかも「外壁塗装」というワードが入っていました。

また「URLに意味のよくわからない数字が入っていると不利」、という意見も聞かれます。

この意味の分からない数字とは、ページ数が多くURL(アップするディレクトリ名)を連番で付けるなど、更新担当者にしか分からない類のものです。

ですから一般ユーザーは、そのURL名自体に関しては何のことか分からないという理屈ですが、4位のサイトはこうした外部ユーザーには分からない数字が入ったURLでした。

実際に検索して、表示されたWebページのURLを見ていくと、色々な事が見えてきそうなので続けてみます。

外壁塗装に関連ワードを付けてみます。

「外壁塗装 見積もり」という組合せが多そうなので、これで検索してみます。

ワード:外壁塗装 見積もり 

ワード:外壁塗装 見積もり

こちらもまずは、1位のWebページのURLに注目してみます。

階層は2階層目、文字数は34文字でした。 

5位までの結果で見ると、URLは1~3階層、2位に表示されたWebページのURLが62文字で少し長めに感じた、というのが特徴でしょうか。

こちらの5位のURLは、最後のファイル名が連番で付けられたような名前でした。

検索結果の表示URLには、特に日本語のキーワードになっているものはありませんでした。

さて、URLがパラメータなど付いて長くなりそうな通販サイトも見てみましょう。

「アロマキャンドル 通販」で検索してみます。 

ワード:アロマキャンドル 通販

ワード:アロマキャンドル 通販 

1位は楽天市場のアロマキャンドルの検索結果ページでした。

URLに「アロマキャンドル」というワードが入っていますが、階層としては4階層目、まあまあの深さです。 

2位はアロマキャンドルを多く扱う専門通販サイトの検索結果ページだったのですが、こちらは3階層目でパラメータが付いて、URLとしては長めになっていました。数えたところ94文字でした。パラメータ付きのURLは、やはり長くなります。

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3位は2位と同じ通販サイトだったのですが、今度はこのサイトのトップページでした。URLは3階層目までありますが、パラメータがありませんから先ほどの検索結果ページに比べて、ずいぶんとすっきりしたURLに見えます。

2位と3位なのでタイミングによっては順位が入れ替わることが考えられますが、同じサイトで短いURLの方が低い順位というのは、面白いですね。

4位はAmazonなので別格として飛ばし、5位はLoftの通販サイトでした。こちらは3階層目、検索結果一覧ですが、静的ページなのでURLは短い形になっていました。

ただしこちらもURLに付いているのは任意の数字らしきもの。外部のユーザーには分からない番号が付いたURLになっていました。 

結果から見えてきた特徴まとめ

ここまで試してみた検索結果のURLから、どういった特徴が浮かび上がってきたかをまとめてみましょう。 

  • URLの階層は浅いものが有利とは言えない。
  • URLの長さは短い方が有利とは言えない。
  • 日本語のキーワードが入っているURLは、あったり無かったりする。
  • 整理番号のような外部のユーザーにわからないような数字が入ったURLでも、上位表示されている。

いかがでしょうか。

コンサルタントから「こういったURLはSEO上では不利」と強調されているようなものも、上位表示されている感じですね。 

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SEOと階層、URLについての情報

ここでは「実際にSEOと階層やURLがどれくらい関係があるとされているのか」についての情報を紹介していきましょう。 

階層

SEO視点で見た階層についてですが結論としては「検索順位とは関係がない」ようです。

これについては過去からGoogleの関係者が明言しています。

時々「階層が浅い方がSEOでは有利」という意見を聞きますが、どうしてそういった意見が出てくるのか、首を傾げます。 

おそらくは「階層が浅い方がクローラーが到達しやすいのではないか」という印象によるものではないかと予想されます。あるいはコンサルタントが階層が深ければインデックスされにくい、といった形でアドバイスをしているのかもしれません。

ここまで解説してきたのは、ディレクトリ(フォルダ)で分けた物理的な階層です。

しかしGoogleにインデックスされるという観点では、別の階層で見る必要があるようです。

それが「リンク階層」です。 

このリンク階層は、「何クリックでそのページに到達するか」というユーザーの動作を基準にして、階層を数えていきます。

ですからトップページ(第1階層)からリンクがされていてすぐにそのページにユーザーが到達できれば、リンク階層としては「浅い階層」という結論になるのです。

まさにユーザー行動に合わせたGoogleのアルゴリズムらしい解釈と言えます。

ですから検索順位を上げたいページは、少ないクリック数でそこに到達できるようにした方がSEO上も良いと言えそうです。

それではディレクトリ分けした物理的な階層の深さはまったく考慮されないかと言えば、そうでもありません。

最初の検証であった数個程度のディレクトリ分けであればほとんど問題ないはずですが、極端に分類が多くなり何十個もの“/”で区切られるようだと、やはり影響は出てくるでしょう。

Googleのアルゴリズムというよりもそんな深い階層のURLはユーザーも敬遠しがちですから、理由もなく敢えて多くのディレクトリ分けはしないようにしていきましょう。

一般的なサイトであればそこまで多く区切られる事はまずないでしょうが、超大型サイトに携わる場合などは考慮しておくと良さそうです。

また階層については、深いよりも浅い方がクローラーが見つけやすいというコメントがGoogleから過去に出されたこともあります。検索順位への影響はないとされていても、むやみに深いディレクトリ構成は慎み、適度な分け方になるように気を付けておいた方が良さそうです。 

URLの長さ

階層の深さと並んでNGとして考えられがちなのが、URLの長さです。

長すぎるURLはGoogleに敬遠されるという話が時おり聞かれますが、こちらは階層以上に根拠のないものになっていて、Googleはむしろこの説を否定しています。 

こうした長いURLはNGという話は、以下のような影響と考えられます。

  • Googleの関係者が、URLは2,000文字以内に収めるようにと発言した。

事実ですが、古いブラウザの仕様をもとにした大昔の話。そもそも2,000文字のURLという事が非現実的です。

  • 階層が深くなる事で、自ずとURLが長くなる。

上に書いたように、単純なディレクトリ階層はSEOへの影響はほとんどないはずです。

  • パラメータが付いて、URLが長くなる。

ここは少し迷うところ。現代社会においてパラメータは必要不可欠になっています。大昔はパラメータが付いた動的URLは静的にした方がインデックスされやすい、という意見がありました。しかし、その後のGoogleの進歩で動的、静的、どちらであってもGoogleはインデックスするようになっていますので、SEO対策として無理にURLを変える必要はないでしょう。 

リンク階層を意識して再検証

さて、上で挙げたポイントを踏まえ、最初に検証したキーワードで表示された上位サイトのいくつかをもう一度見てみましょう。

URLの長さはもともと影響がないことが見てとれていたので、リンク階層という視点で見ていきます。

まず「外壁塗装」で1位になったWebページは、そのサイトのトップページからダイレクトなリンクがありました。

「外壁塗装 見積もり」で1位のWebページも同様です。

これらはリンク階層という見方では第1階層であるトップからリンクが貼られているので、第1階層にあるページとしてみなされます。

通販サイトの場合は検索結果ページが上位にくるのでやや上位表示の傾向が異なりますが、一般的なWebページの場合は「第1階層(浅い階層)からのダイレクトなリンク」を意識したサイト設計をすると良さそうです。 

リンク階層が重要そうですね。だからと言ってトップからリンクを貼りまくる行為はユーザビリティに観点から慎むべきなのでしょう。

まとめ:ポイントはリンク階層

SEOで語られるディレクトリの階層構造、そしてURLの長さといったものは実際の検索順位にほとんど影響はないと言えそうです。

ただし「良いコンテンツには上の階層からダイレクトにリンクを貼る」というリンク階層の効果は、実際に認めることができます。

画面設計、導線設計の一部になりますが、同時にSEOにも良い影響を与えるというのを意識して作っていくと良さそうです。

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