ABM(アカウントベースドマーケティング)とは? 導入方法やメリットを紹介

 2021.04.20  LeadPlus

近年、BtoBマーケティング領域においてABM(アカウントベースドマーケティング)が注目を集めています。とりわけ大企業との取引で有効とされるABMとはどのようなマーケティングなのでしょうか。本記事ではABMの特徴や取り組むメリットのほか、ABMに有効なツールをご紹介します。

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは? 導入方法やメリットを紹介

ABMとは?

ABMとはマーケティングチームと営業チームが連携し、価値が高いと判断した顧客企業に対してパーソナライズしたアプローチを行うマーケティング手法です。正式な名称としては“Account Based Marketing”と表記されます。なお、ここでいう「アカウント」とは、顧客対象となる企業のことを意味します。

ABMはその特性上、個人向けに商品やサービスを展開する企業よりも、BtoBにおいて、とりわけ大企業を相手にする際に役立つ経営戦略です。ABMによって高い利益が見込める大企業に特化したマーケティング及び営業活動を実施することで、利益効率の最大化と顧客ロイヤルティの向上が期待できます。

ABMが注目され始めた背景

ABMは2000年代初頭にはすでに登場していた概念ですが、近年になって急速に再注目され始めたという経緯があります。ここからは、ABMがにわかに関心を集めている背景について解説していきます。

従来のマーケティングは個人単位

ABMがいま注目を浴びている理由としては、従来多くの企業が行ってきた個人単位でのマーケティング戦略の限界や、非効率性が少しずつ明らかになってきたことが挙げられます。従来のマーケティングでは個人単位の顧客プロファイルを大量に集め、メールマガジンや広告、電話等のアプローチを通して、リード(見込み顧客)を獲得するという方法が主流でした。

この方法はできるだけ多くのリードを営業チームへ提供するという目的のもとに試されるもので、自社サービスの認知度の向上や新規顧客の開拓という点では一定の成果が見込めます。ただし、同時にこの方法は「質より量」を優先したリード獲得方法になりがちで、さまざまな課題を抱えるマーケティング手法でした。

個人単位のマーケティングの問題点

そもそもの原則として、BtoBにおける取引主体とは、個人ではなくて企業です。そのためリードの獲得においては当然ながら、リードが所属組織の中で強い影響力を持った重要人物であればあるほど大きな効果が見込めます。

しかし個人単位でマーケティングを行っている場合、リードが所属組織においてどのくらいの影響力を持った人物なのか、そのバックボーンがすぐには分かりません。そのため、たとえば同企業の複数名から別々にコンタクトがあった場合、どちらがキーマンなのか分からないという問題が生じえます。あるいは、リードが増加している顧客の情報をまとめた後になって初めて彼らが同一の企業に属していることが判明した、などという事態も起こりえます。

このように、個人単位で点的にマーケティングしていく手法はときに大きな非効率性を露呈します。マーケティングを会社単位で、いわば面的に行うABMが現在注目を集めているのは、まさにこのような課題意識を感じる企業が増えたことによるのです。

ABMに取り組むメリット

従来のマーケティングが抱える課題が見直される中で、ABMはこれらのソリューションとして注目を集めるに至りました。それではABMならではのメリットとはどのようなものが挙げられるのでしょうか。ここからは、ABMの利点について解説していきます。

確度の高い企業に集中するため、マーケティング活動が効率的になる

ABMにおいては、そもそもアプローチ対象を確度や見込み利益の高い企業に絞り、その企業に特化したマーケティングを実施します。そのため、これまでの手法に比べて営業チームは無駄なアプローチを減らすことが可能です。また、マーケティングチームも分析に際して業界一般の汎用的なニーズではなく、該当の企業に絞った分析をすることが可能になるため、より業務の効率化が見込めるのです。

顧客からの関心度の向上が期待できる

前述の通り、ABMにおいてはアプローチする企業をあらかじめ厳選するため、各顧客に専念する時間を増やし、最適なアプローチをしやすくなります。これによって顧客からの関心度やエンゲージメントの向上が期待でき、ひいては売り上げのアップにもつなげやすくなるのです。

また、業界での競争力や影響力が高い企業の動向には、その周辺企業も注目しています。そのため、そうした企業に自社のサービスを導入してもらうことで、結果としてその他の企業からの関心を引く効果も期待できるでしょう。

マーケティング部門と営業部門の連携がスムーズになる

個人単位での従来のマーケティング手法では、営業チームに送られるマーケティング情報は玉石混交の多量なものであったため、営業担当者が実際にそのすべての情報を活かすのは難しいところがありました。しかし、ABMにおけるマーケティング分析においては、特定の企業に特化した、より実用性のある情報分析と提供が可能になるため、営業チームもその情報を活用しやすくなります。

また、このようにABMにおいてはマーケターと営業担当者の双方が「顧客志向」という共通の目線を持つことになるため、ターゲット企業へ最適なサービスを提供することを目指し、互いに協力する機会が自然と増えてきます。これは組織運営において重要な部署を超えた一貫性を企業にもたらし、企業全体の組織力を底上げすることが期待できるのです。

ABM導入の手順

高効率なマーケティング効果が見込めるABMですが、その導入はどのような手順で進めればよいのでしょうか。ここからは、ABMの導入の仕方について順を追ってご説明します。

手順1.自社とABMの相性を確認する

ABMを導入する前に、まずは自社に本当にABMが必要かどうかを検討しましょう。先にも触れましたが、ABMは個人向けのマーケティング手法ではなく、BtoBを前提としています。また、顧客を組織単位で捉えるABMの特性上、少数の従業員で事業をしている中小企業をターゲットとして考えている場合は、ABMを導入する意味は薄くなります。

つまり、ABMがもっとも活かされるのは、商談単価の高い大企業をターゲットにする場合、あるいは既に取引のある大企業との関係をさらに拡大したい場合です。そのため、ABMを導入する前にABMが自社の経営に適した手法であるか、事前に相性を確認することをおすすめします。

手順2.ターゲットを設定する

ABMの導入を決定したら、次にはターゲットを設定します。見込まれる取引額の大きさや業界への影響力、リピーター化する見込みがあるかどうかなど、利益効率を計算して具体的な企業名まで絞り込んでいきます。ここでのターゲット設定がしっかりしていれば、新たな案件の創出や、企業内の他部門にまで取引を拡大していくことも期待できるでしょう。

手順3.ターゲットについてのデータを収集する

ターゲットを確定したら、取引実績や外部の企業データを基にしてターゲットをできるだけ詳細に分析していきます。社内の人間でターゲット企業と接点のある人がいないかを確認し、いた場合は紹介してもらったり、情報を共有してもらったりすることをおすすめします。その過程で、優先的にアプローチすべきターゲット企業内のキーマンの洗い出しも行いましょう。

手順4.提供するコンテンツとアプローチの方法を検討し、実施する

上記で収集した情報を参考に、顧客の属する業界や業種等を踏まえて顧客の求めるニーズを分析し、その課題を解決するために役立つコンテンツの選定を行います。また、ターゲット企業に合わせてパーソナライズしたメッセージなどアプローチ方法についても検討し、実施します。

手順5.効果を測定し、改善点を探す

アプローチの成否にかかわらず、一連の手順が終わった後は効果を測定し、設定した目標との乖離状況から改善点を探しましょう。その際は部門ごとではなく、部門間で連携しながら振り返りを行うことが大切です。ここで判明した課題を基にして、今後の営業戦略をさらに最適化していきます。

なお、ABMの効果測定の際には、売上額などの直接的な利益のみならず、ターゲット企業におけるキーマンとの接点が増えたか、自社サイトの訪問数が増えたかなど、今後の事業拡大における地盤構築にどれだけ役立ったかも重要な評価項目になります。

ABMに有効なツールHubSpotを紹介

上記のように、ABMを実践するためには、どのような企業がターゲットに適しているか、そしてターゲット企業がどれくらいの経営規模で事業展開をしているかなど、データの量と精度、そして部門を超えた情報共有が重要になってきます。しかし、こうしたデータの洗い出し作業をすべて人の手で行うには膨大な手間がかかります。そこでおすすめしたいのが、ABMの実施に役立つABMソフトウェア「HubSpot」です。

HubSpotの便利な機能

上記で説明した手順からも分かるように、ABMの導入にあたってはターゲット選別のための情報収集から始まり、幾重にも渡る情報の精査と分析が必要です。しかし、HubSpotのABMワークフローテンプレートを使って最適な顧客のプロファイルを定義すれば、それに合致したターゲットを自動で洗い出し、素早くABM戦略を構築できます。

また、Hubspotでは重要な数値を一貫して追跡、測定できるので、そのスコアリングの面からも、アプローチするのに最適な企業はすぐに分かります。HubspotにはAIによるアシスト機能もあるので、人の目だけでは見逃していたかもしれないビジネスチャンスも掴むことができるでしょう。

また、Hubspotでは共通のツールを使用したデータの一元管理が可能な上、「Slack」などのコミュニケーションツールとの連携も可能なので、部署を超えた素早い情報共有と連携を促進します。Hubspotを使えば成果のレポート化も簡単にできるので、ABMの効果を可視化し、プロジェクトのPDCAサイクルを円滑に回すことが可能になります。

まとめ

ABMは、従来の手法である個人単位のマーケティングにおける問題点を解決する可能性を秘めています。ABMを自社の経営戦略に取り入れる際には、従来の手法との違いや導入するメリットを理解した上で実践を検討することをおすすめします。また、ABMを実践する場合は「HubSpot」などの有用なツールを積極的に活用し、高い成果につなげましょう。

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