Above the foldとは

Above the fold(アバブ・ザ・フォールド)とは、インターネットユーザーがWebサイトを訪れた際に、スクロールをせずに目に入ってくる画面領域のことです。「ファーストビュー」と同義。Above the foldの領域には、サーチエンジン経由で訪れた新規のユーザーが知りたい情報、つまり、もっともユーザーに訴えたい重要なコンテンツを配置したり、SNSのシェアボタンを配置したりして、ユーザーが離脱しないような工夫をすることが大切です。

ユーザーが特定の情報を求めてネットサーフィンをする際、「ここには情報が無い」と判断してページを離脱するまでの時間は、たったの3秒だといわれています。この3秒間にユーザーは、
・このWebサイトは何についてのサイトなのだろうか
・このWebサイトは自分にとって有意義なのだろうか
・このWebサイトには信頼性があるのだろうか
などと考えています。そのため、ユーザーの目に最初に飛び込んでくるAbove the foldには、この3秒間でユーザーの興味を引き、離脱を防ぐ役割が求められます。ただ、3秒間という短い時間でユーザーの興味を引くためには工夫が必要です。長々としたテキストを並べるよりは、ユーザーに視覚的に訴える画像や動画コンテンツを使ってスクロールやクリックなどの「次の一手」につなげたり、h1タグなどを用いて目立つ見出しを配置したりする方が効果につなげやすくなります。

さらにAbove the foldの中には、そのエリア内でも、もっとも重要だとされる領域があります。それが「左上」。ゴールデントライアングルとも呼ばれるこの一角は、多くのユーザーが最初に見るパートであり、もっとも多くの視線が集まる場所だとされています。そのため、このゴールデントライアングルに、ユーザーにとって有益になる情報や注目して欲しい情報を置くことは、ユーザーの興味を引き、次なる一手を取ってもらうために極めて有効な手段となります。

Above the foldは、SEOの面でも重要です。現在のGoogleのクローラは、Above the foldの領域を判断できるほどのレンダリング性能があるとされています。Googleは、2012年にページレイアウトアルゴリズムを導入しましたが、このアルゴリズムにおいて、Above the foldに無関係な広告が多数表示されているページの評価を下げているといわれています。すなわちAbove the foldの領域は、ユーザビリティ・SEOの両観点から見ても非常に重要です。

Above the foldの領域は、ユーザビリティを考えて、ユーザーにとってもっとも役立つ情報があることをアピールする場所です。新規にWebサイトを作る場合だけではなく、既存ランディングページのカスタマイズをする際も、この考え方に基づいて作業を行うことが大切です。