not provided とは

not providedとは、アクセス解析ツールのGoogleアナリティクスにおいて、ユーザーがサイト訪問するきっかけとなった検索キーワードの情報提供ができないことを表します。

not providedが表示されるようになったのは、2012年にGoogleがウェブサイトのSSL化推進の公表を行ってからです。SSLとは通信を暗号化する技術で、サイトへの導入によりウェブ上のセキュリティを高める目的があります。

SSL化が始まるまでは、ユーザーがどんな検索キーワードでウェブサイトに訪問してきたのかを、アナリティクス上で確認することができました。また、流入するきっかけとなったキーワードを分析することで、ユーザーのニーズを把握し、ウェブサイトのコンテンツ改善に活かされていました。

しかし、2012年にGoogleのSSL化が始まってからは、アナリティクスでキーワードデータを確認しても、SSLの仕組み上「not provided」と表示されることが多くなりました。また現在はGoogleやYahoo!などのSSL化が完了しているため、アナリティクスで検索キーワードを確認しても、ほとんどnot providedしか表示されません。

その代わり、現在はサーチコンソールという新たな分析ツールがGoogleにより提供され、検索キーワードの分析が可能となっています。

サーチコンソールで検索キーワードを確認するためには、まず所有しているサイトをコンソールに登録する必要があります。サイトを登録後、メニューから検索パフォーマンスのクエリを選択すると、検索キーワードを閲覧することができます。

アナリティクスと異なるポイントとしては、「アクセスに繋がったキーワードではなく、所有サイトが検索結果に表示されたときのキーワードが閲覧できる」という点、「閲覧できる検索クエリは最大999件である」点、「キーワードデータは最大13ヶ月の期間分を閲覧できる」点が挙げられます。また、Yahoo!はGoogleの検索結果を用いて動作していますが、サーチコンソールで表示される検索キーワードは、Google検索のみが対象となっています。

また、サーチコンソールで確認するほかに、ランディングページを参照して推測する方法もあります。アナリティクスの集客メニューにある「キャンペーン」からオーガニック検索を選択し、セカンダリディメンションからランディングページを選択することで、検索経由でどのページがよく閲覧されているのかを確認することができます。どのページが検索では人気なのかを知ることにより、検索キーワードの推測に役立てることが可能です。

検索キーワードの分析は、ユーザー理解や充実したサイトコンテンツを作成するために活用されています。集客を目指すウェブサイトを運営する以上は、not providedへの対応は欠かせません。