Adobe Analytics入門。Google Analyticsと比べて優れている点とは

 2016.12.27  LeadPlus

Webサイトを運用する上で欠かせないアクセス解析ツール、そしてアクセス解析ツールと言えばGoogle Analyticsが主流だと思っている方は多いのではないでしょうか。

確かにGoogle Analyticsは強力なツールです。しかし、アクセス解析ツールはGoogle Analyticsだけではありません。最近は「piwik」というオープンソースのアクセス解析ツールも注目を集めています。また、より高いレベルでデータ活用を行うためのツールとして今回紹介する「Adobe Analytics」があります。

知名度や入りやすさではGoogle Analyticsにリードされているものの、実はマーケティングに力を入れる担当者には魅力たっぷりのAdobe Analyticsについて、今回はその基本ポイントをご紹介します。 

Adobe Analyticsとは 

概要

Adobe Analytics」は、Adobeが提供するマーケティング製品群の一つです。以前は「SiteCatalyst」という製品名でしたが、今でも広くその名前で呼ばれています。

最近Adobeはマーケティングソリューションに非常に力を入れており、それらを実現する「Adobe Marketing Cloud」がそのツールとして提供されています。そして、Adobe Analyticsはその中のWeb分析(アクセス解析)の役割を担っています。

Adobeは、全体を導入することで統合的なマーケティングができるとしていますが、弊社のお客様では「Adobe Analyticsのみ」か、これにA/Bテストとパーソナライゼーションができる「Adobe Target」を一緒に導入しているケースもあります。

このAdobe Analyticsのデータ収集の仕組みはWebビーコン型のため、Google Analytics同様に解析するページには専用のjsコードをすべて入れる必要があります。

価格面においては、よく高いと言われていますがその料金体系を見てみるとコール数に対する従量課金制のため、契約内容やサイトの規模によってはGoogle アナリティクス プレミアムより安価になるケースもあるでしょう。

企業用途向けの優れた機能性

Adobe Analyticsは、他のAdobeマーケティングツールとの連携や計測の精度が強みとして言われます。

しかし、Google Analyticsも、Google独自のA/Bテストツールを提供したり、サードパーティーツールで連携できるものが多くなっているので、必ずしも他との連携がAdobeの強みとは言えないかもしれません。

また、計測の精度ですが、これも普通にアクセス解析を行うのであれば、Google Analyticsとあまり大きな差はつかない印象です。実際、弊社でも両方のタグを一つのサイトに入れて検証してみましたが、それほど大きな数値の差は出ませんでした。

他に複数アカウントを設定して閲覧や操作権限が振り分けられる事、セキュリティでの強みが言われるケースもあります。こうした面ではGoogle Analyticsよりも優れていると言えます。企業の情報セキュリティやアクセス権限の管理に合わせた導入が必要な企業にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

ここまでご紹介した内容では「Google Analyticsで良いよね」と思うかもしれません。

次に、実際の弊社がAdobe Analyticsを使って実感したマーケティング上でのメリットを紹介していくことにします。

 

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Adobe Analyticsを使うメリットと特長 

Adobe Analyticsを使うメリットは、乱暴に言ってしまうと「日々、数値に基づく仮説を立て検証していくような環境に向いている」という点です。つまりPDCAを回すような活動を行う企業ではその威力を発揮します。

その視点でAdobe Analyticsの特徴を紹介していきましょう。

変数の拡張性

Adobe Analyticsの最大の特徴は、拡張性の高さです。

複数の変数が設定できます。

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変数は「event」「eVar」「prop」などで、これらの変数の箱に対して自分たちが必要とするデータの取得を割り振っていきます。

例えばメールマガジンの登録者をKPIの一つにしている場合には、変数の一つに「メルマガ登録」を割り当てます。これによりAdobe Analytics内でメルマガ登録のデータのみを解析できるようになります。

また、広告効果測定に関して言えば、サイトへの広告流入に対してURLにトラッキングコード(パラメータ)を個別に振り、データ取得を行えるよう変数に割り当てておけば、個々の広告効果測定を詳細に分析できるようになります。

このようなことが可能になるためメルマガツールや広告の効果測定ツールを個別に導入しなくてもAdobe Analytics内だけで完結できることが一つの特長と言えます。

日々、グロースドリブンな超高速PDCAを実施する環境では、これが大きなメリットになるでしょう。

またアクセス解析とこのような各分析データが統合していることで、個々のセグメントのユーザーのサイト内での行動がより詳細に分析できます。

例えばAという広告、Bという広告、Cという広告で流入してきたユーザーのコンバージョンに至るまでの経路の違いなどを容易に把握できます。

そこに課題を見つけ改善を加えていき、再び検証するというPDCAサイクルを実現する上でAdobe Analyticsの機能が大きな助けになってくれるでしょう。

なおGoogle Analyticsも変数が設定できるようになっています。しかし、本記事執筆時点(2016年12月現在)では、その数も質もAdobe Analyticsには及びません。この違いはデータに基づく取組みを日常的に行う上で大きな差になってきます。

レポートの利便性

Adobe Analyticsはレポ―ト機能が非常に充実しているのもメリットと言えます。

Google Analyticsでは、日々のレポートの自動配信などは非常に便利ですが、レポートの自由度についてはAdobe Analyticsが優れています。

アクセス解析から日々の現状報告、つまり毎日のレポ―ティングは忙しい担当者にとって意外と負担になります。経営層やマネジメント向けのレポートは、要望されるデータがしっかりと揃っていることが重要です。そのような場合にAdobe Analyticsの多角的な分析レポートはうってつけの存在と言えます。

ただしAdobe Analytics内のレポート機能ですべて事足りるかと言えば、そうではありません。全てのツールに言えることですが、やはり定型の機能だけでは満足できない部分もあります。「現状分析」「ポイントは何か」「どこが問題か」などなど。このような内容を伝えたい場合には、データを抽出して自身で分析する方法が必要不可欠です。

そのような場合には、Microsoft Excelで分析可能なアドオンとしてAdobeが提供している「Report Builder」というツールを利用すると良いでしょう。これを使うとデータをMicrosoft Excel上にデータを抽出できるので、関数を使いより細かな分析ができたり、それを日々のレポートとして自動配信設定しておくことも可能になります。

Adobe Analyticsを導入する理由

ここまで大きく二つのメリットを紹介しました。

Adobe Analyticsを服に例えると「イージーオーダーで真価を発揮する」解析ツールと言えます。

Google Analyticsは既製服(パターンオーダー)です。自分に合わせたカスタマイズはあまりできないものの手軽に使えるためシェアが爆発的に広がっているのも納得です。

ちなみにフルオーダーとも言える、一から自分たちで設計して作る解析ツールも存在します。必要とされるのは、次のようなケースです。

  • その企業独自の分析がしたい。する必要がある。
  • 情報を一切外部に出したくない(サードパーティーツールを極力使いたくない)

一見フルオーダーは自由が利いて非常に良いようですが、私の経験ではそうとも言いきれません。

こうしたツールを作れるのはまず大手企業だけですが、製品として提供しているアクセス解析ツールに比べれば、機能や使い勝手で劣ります。

実際に筆者も「これAdobe Analyticsを使えばすぐにできるし、もっと多角的な分析もできるのに」と思ったケースもあります。

もちろんコストも多くかかるので、分析ツールで費用対効果が見合うのかも、開発に際しては問題になります。運用に入っても追加や修正の必要性を感じながらも、さらにコストや開発工数がかかるので手が付けられない、というのもデメリットです。 

こうした事から細かな分析を必要とする企業は、イージーオーダーができるAdobe Analyticsを導入して、それを自社のマーケティング指標に合わせてカスタマイズしていくのが最も現実的でしょう。

一方そこまでデータにこだわらない、アクセス解析で大まかなサイトの状況を把握できれば十分という企業では、Google Analyticsの方が良いかもしれません。

PVや訪問数、直帰数や離脱率、コンバージョン数といったアクセス解析の基本指標を追うだけならAdobe Analyticsを導入しても大きなメリットはない、というのが正直なところです。

Adobe Analyticsの注意点

デメリットとまではいきませんがAdobe Analyticsの導入にあたっては予め注意しておきたいポイントがいくつかあります。

  • 専門サポートが必要

企業やサイトごとに独自にカスタマイズしていくAdobe Analyticsだけに、導入、運用にあたっては専門のサポートが必要になります。代理店やAdobeなどです。

導入までの流れは、Web制作に似ています。

  1. どういったデータを計測したいかの決定(企画、要件定義)
  2. 実際の取得方法の決定(設計)
  3. 実装

これらが必要な内容になります。

2の具体的な実装方法については、Adobe Analyticsに精通しているパートナーでなければまずできません。さらにそこからAdobeへと問い合わせるケースも多くあります。

3の実装については、社内の制作者や制作パートナーに依頼をする事になります。

運用に入っても、不明点や追加で取得したいデータなど、さまざまなサポートが必要になります。そのために外部の専門パートナーとは引き続き契約する事になるでしょう。

また契約企業に対して講習会の実施もありますが、会社ごとにカスタマイズされているため、それに重点を置いた内容だと個別講習になります。そのため、別途講習費用がかかるケースが多くなります。

  • カスタマイズの内容を記録し続ける必要がある

カスタマイズはその企業独自のものですから、内容を記録しておく必要があります。

SDR (Solution Design Reference)」と呼ばれるのが、そのドキュメントになります。

このSDRにある変数については、それ毎に担当者が記載されているのが特徴です。技術者ではなく、主にその値を必要とするビジネスやマーケティング担当者になります。

このSDRについては、次のような問題が出てきます。

  • 人事異動などで、ドキュメントの存在や各担当者の変更が分からなくなる
  • 設定には変更やアップデートが加えられているのに、SDRは更新されていない

実際に私もこうしたケースにいくつか出くわしました。

設定内容が分からなくなるとAdobe Analyticsの力は半減するので要注意ポイントと言えるでしょう。

まとめ

Adobe Analyticsを使うべき局面などご理解いただけましたでしょうか。

弊社の多くのお客様が、Webの一般的なアクセス解析でGoogle Analytics、インバウンドマーケティングの解析でHubSpotを利用しています。より大規模な環境になってくるとAdobe Analyticsも候補に上がってくることになります。

データドリブンな世界が必要不可欠なマーケティングの世界で、Adobe Analyticsはその力を存分に発揮できるツールと言えるでしょう。

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