コンテンツマーケティングのメリットとデメリット

コンテンツマーケティングを導入するべきかお悩みですか?

コンテンツマーケティングは、簡単に始められるけれども意外と奥が深く大変なマーケティング手法の一つですよね。しかし、一旦、軌道に乗れば企業の資産としてせっせと多々良いてくれるので絶対に始めるべきでしょう。

今回は、社内でコンテンツマーケティングを導入すれば、どんなメリットとデメリットが発生するのかについて詳しく説明していきます。

コンテンツマーケティングのメリット

低予算で情報発信を始めることができる

コンテンツマーケティングの最大のメリットは、施策自体にほとんどお金がかからないということでしょう。例えばリスティング広告を、とある不動産会社が社内で実践することになったとします。リスティング広告を利用して集客するためには、Yahoo!などの掲載枠に広告の掲載を依頼し、特定のキーワードに応じた広告掲載料金を支払う必要があります。

その不動産業者は、不動産を仕入れたかったため、「不動産 売買」というキーワードで入札しました。しかしこのキーワードは、誰もが1位になりたい競合性の高いキーワードであったため、自社の広告が上位に来ることはありませんでした。

そうなると、キーワードの入札単価を上げていく必要があります。しかし、ほとんどの企業は無限に資金があるわけではないので、結局資金力のある大手企業などが上位を占めてしまうということが起きてしまいがちです。

結局デジタルの世界でも広告にはお金がかかるということなのです。しかし、広告に投資する資金が潤沢にないような会社でもコンテンツマーケティングを手法として選ぶなら年間コストはWebページの製作に関するコストで済むため、資金力に関係なく将来に渡って安定したアクセスのあるメディアを育成できる可能性があります。

Googleの検索順位は、(Googleの法のもとで)平等ということですね。世の中のためになる良質なコンテンツを提供すれば誰でも銀座4丁目の交差点に店舗を持てるということなのです。

ソーシャルメディアに拡散される入口を設けることができる

見込み客は、2013年を境として情報の向き合い方を大きく変えつつあります。

一昔前であれば、検索エンジンに対して特定のキーワードを入力し、自分が必要とする情報がサイト上で見つかれば、それでユーザーは満足していました。しかし今は違います。

情報を探すだけではなく、ソーシャルメディアを通じて他人とつながることで共感し合い、自己実現欲求を満たしたいと考えています。常に、多くのユーザーはソーシャルメディア上に存在しており、「自分が驚いた情報」や「参考になる情報」があれば、他人に共有したいと考えます。

ソーシャルメディア上のユーザーが拡散する情報は、「お役立ちコンテンツ」か「本当の出来事」である可能性が高く、そういったお客様の関心や興味にかなうようなコンテンツを作成することができれば、ソーシャルメディアから一気にアクセスを呼び込むことができるでしょう。

情報への入り口がWebサイトだけではなく、自分と共通の関心をもつコミュニティからの情報が流れてきやすいソーシャルメディアの情報量は多く、かつより信用を置くのです。オウンドメディア上での情報発信は、ソーシャルメディアで流通するコンテンツの着地点として機能します。

リストマーケティングを展開しやすい

コンテンツマーケティングを実施していないリスティングを専門とする企業は、販促依存型と呼ばれるマーケティングの型に陥りやすいことをご存知でしょうか?

販促依存型は、ダイレクトレスポンス型とも呼ばれており、購買意識の高い見込み客に対して直接アプローチし購買を促していくため、その場の一時的な購買につながるものの、将来にわたる継続的な購買につながりにくい傾向があるのです。

商品やサービスを購入した理由が「企業に魅力を感じたから」ではなく、広告で紹介されていたキャンペーンを見たというきっかけになりがちで、初期の広告コストの割に、なかなか顧客がリピーターにならず将来的な売り上げが伸びていかないという問題を抱えることになります。

一方で、コンテンツマーケティングを実践していれば、Web上に掲載されたコンテンツから企業について深く知ってもらうことができるため、自社の価値を理解したうえで顧客になってもらえる可能性がたかまります。結果としてリストマーケティングによって顧客を管理しやすくリピート率も高くなる傾向があります。

コンテンツマーケティングは外注化できる

色々なマーケティングの手法がありますが、コンテンツマーケティングは業務内容を外注化しやすい手法の一つです。中心はコンテンツを作成するということに尽きるのですが、それを自社で全ての業務をしなければいけないというわけではありません。

優れたコンサルタントやライターに依頼することで、コンテンツ制作については外部リソースを活用し、継続的な活動にすることができます。これにより、自分でコンテンツの更新をする必要がなくなるため、その間にコアとなるメッセージを考えたりしながら集客できるメディアに育てていくことに専念できるでしょう。

オウンドメディアで集客できるようになれば、これまでかけていた一過性の広告費用が不要になり、訪問者を資産として企業の価値を上げながら収益にも貢献できるでしょう。

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コンテンツマーケティングのデメリット

結果が出るまでに、3ヵ月~6ヵ月かかる

コンテンツマーケティングは、有料のリスティング広告と比較すると、結果が出るまでにかなりの時間を必要とします。コンテンツを上げてもすぐにSEOの効果が出るわけではないからです。

毎日、オウンドメディアにコンテンツを投稿しているにも関わらず、3ヵ月~6ヵ月が経過するまではなかなか結果が見えてきません。そこでよくある状況が、せっかくコンテンツマーケティングを社内で導入したにも関わらず、上司が「2ヵ月も経っているのに、全然結果が出ていないじゃないか。人件費の無駄なんじゃないか。」と言って、プロジェクトを中断するように指示するのです。

もう少し継続していれば、SEOの効果が表れ、大きなアクセスが一気に来ていたかもしれません。コンテンツマーケティングは、即効性が出ない手法なので、諦めることなく忍耐強くマーケティングの施策に取り組む必要があります。

魅力的なコンテンツの継続的な制作が難しい

検索エンジンやソーシャルメディアで評価されるような記事を制作するためには、魅力的なコンテンツを作りあげていく必要があります。マーケティングの会社に勤めている方であれば、どのような記事が見込み客に対して「オドロキ」を与え、「共感」を呼び、多くのメディアの中から「発見」してもらえるか、日々の経験から感覚で分かるかもしれません。

しかしながら、一般的な企業で仕事をしているなかでは、魅力的なコンテンツを数千字の文章で書き続けるというのはなかなかハードルが高く、コンテンツマーケティングを挫折してしまう方も多いのが実情です。

自分で魅力的なコンテンツの制作が難しければ、上記で紹介したように外注化という方法もあります。そのような場合には、コンテンツの設計から制作まで継続的に実施することができるので、より効果が出てゆくことでしょう。

短期的に結果が出るという保証がどこにもない

コンテンツマーケティングは、必ず結果が出ることが保証される手法ではありません。しかしながら、コンテンツは自分たちで継続して改善してゆけるため、試行錯誤の猶予が与えられています。たとえばSEOの効果が思ったように得られず、検索順位が上がらなくて集客が伸び悩むことや、集客はできても、なかなか顧客になるまで結びつかないコンテンツでアクセスが増えてしまうことなどがあります。

一発勝負の広告と異なり、コンテンツの追加や修正がいつでもできるのもコンテンツマーケティングの魅力です。短期的なアクセス数などに目を奪われず、中長期的なビジネスへの貢献という観点で取り組めば、必ずその効果を得ることができるでしょう。

設計がすべてのコンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、社内の人材がブログ記事を書いてアップすれば良いというものではありません。もちろん、記事をアップすることは重要です。

しかし、検索されない記事を書いても意味がないわけです。また、自社が引き込みたいユーザー(ペルソナ)やカスタマージャーニーをしっかりと設計していないと、トランザクションが集まっても顧客化しないという事象に陥ります。

つまり、コンテンツマーケティングは戦略と設計がすべてであるということです。せっかく始めるのであれば正しい設計をすることが重要です。

コンテンツマーケティングが求められる時代になった

コンテンツマーケティングのポイントは、正しい設計と良質な記事の内容です。SEOを意識しながら魅力的なコンテンツを発信し続けるには根気も必要です。

しかも不慣れであれば、記事制作も最初から上手くいくわけではありません。しかしながら、外部リソースを活用するなどして優良なコンテンツを蓄積することは可能であり、そしてそのコンテンツは資産となります。

広告のような一過性なものではなく、将来的な価値を提供する土台となるため、決して無駄になることはありません。中長期的な取り組みとして、腰を据えてぜひコンテンツマーケティングに取り組んでみてください。

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